新型コロナウィルスの感染拡大で大きな影響を受けた日本経済ですが、
教育現場でもその影響は大きいものとなっています。
学校では生徒や先生に感染者が出ると2週間の休校となったり、
学校に行くこともままならない状況が続いています。
そんな状況下においても、子を持つ親であれば、将来生き抜くためには世界に羽ばたける力をつけてやりたいと思いますよね。
そこで今回は、コロナ禍でも人気の海外の大学に入学するために必要な国際バカロレアという資格について、
日本での取得方法や難易度について解説します。
国際バカロレア資格とは?
国際バカロレア(International Baccalaureate )とは、一言で言うと、世界各国で通用する資格です。
よく英語の頭文字を取って「IB」と言われています。
もともと国際バカロレアは1968年スイスで設立された非営利組織で、
外交官や国際機関で働く人の子どもたちが、母国の大学に進学しやすいように開発されたプログラムで、
特定の国の制度や内容に偏らないように世界共通の大学入試と成績証明書を与えるものでした。
このプログラムは、平和な世界を築くために貢献する人材の育成を目的としています。
グローバル社会では、ビジネスなどで本国に居を構えていない家族が多くいますが、
そのようなご家庭に向けて考え出されたプログラムなのです。
国際バカロレア取得の特徴は?
1 海外の多くの大学に入学志願できるようになる
現在、世界では2万校以上の大学が国際バカロレア機構の資格を入学条件に定めています。
2 1つの教育プログラムになっている
世界で幅広く活躍できるための学力や知識、思考力を身につけるための内容になっており、
実生活で活かせる思考力や人間力を身につけることを目的にしています。
日本での取得方法は?
昨今日本でも注目されてきており、政府は、2020年までに認定校を200校まで増やすことを目標に、
国際バカロレア機構と交渉をし、DPの一部科目の認定言語を日本語で行っています。
2020年現在、日本で国際バカロレアの認定を受けた学校は、
一条校とインターナショナルスクールを含め155校(DP・MYP・PYPのいずれかを認定された学校数)となっています。
国際バカロレアの教育を学校が行うには、国際バカロレア機構のとても厳しい審査があり、
日本の有名な学校でもなかなか通らないということもあるようです。
○一条校とインターナショナルスクールの違い
「学校教育法第一条」とは、要は日本の国家カリキュラムに沿った教育法を意味します。
国際バカロレア認定の一条校は、高卒の資格と国際バカロレアの資格両方得ることができるのが強みになっています。
インターナショナルスクールは、この第一条に該当しません。
つまり、「学校教育法第一条」に該当する日本の学校を卒業すると、高卒の資格が得られますが、
インターナショナルスクールでは、「学校教育法第一条」に規定されていないので
日本の学校を卒業したことにはならないのです。
認定校はインターナショナルスクールの方が一条校よりも多く、
また一条校では圧倒的に私立学校が多くなっています。
国際バカロレアの資格(Diploma Programme)を得るためのプログラム
母国語、第二言語、社会、理科、数学、芸術の6つの各グループから1教科ずつ選択し、2年間で習得します。
その他に、
EE:Extended Essay(自分が研究した成果をまとめる課題論文)
TOK:Theory of Knowledge(知識の本質について探求する授業)
CAS:Creative/Action/Service(ボランティア活動などの体験学習)
という3つの必修科目を受ける必要があります。
国際バカロレア資格取得の難易度は?
結論から言うと、かなり難易度が高いです。
世界的な統計によると、フルディプロマの受験者は全体の50%以下で、そのうち80%がディプロマを取得します。
すなわち世界全体でディプロマに進めるのが半分以下、その後最終試験に受かるのがうち80パーセント、ということだそうです。
国際バカロレア資格取得は試験だけではない
一般の入試のように一発ものの試験で評価されるものではありません。
試験の結果だけではなく、これまでの課題や活動が全て対象となるということです。
・CAS(主に奉仕活動)、
・Extended Essay(自由課題論文)、
・TOK(知の理論)
があります。
この他にも出願の準備(書類・自己アピール文・小論文など)も準備しなければなりません。
国際バカロレア資格とは?日本での取得方法や難易度について解説!おわりに
いかがでしたでしょうか。
日本では先生の授業を聞いて、知識を習得していく学び方が一般的ですが、
バカロレアのプログラムは授業内容が大きく異なります。
知識をつめこむのではなく、自発的に考え、
「異文化への理解力と寛容力を持ち国際社会の一員として自覚と責任を持つこと」と
「プレゼンテーションなどを通じ、思考力と表現力コミュニケーション能力を高めること」に重点が置かれています。
グローバル化が進んだ今だからこそ、母国で培われる教養だけでなく、
国際的な視野を持ち、国際的観点から学ぶことが今後の進路やキャリアで大きく有利になるといえます。
お子様がいらっしゃる方もこれからご予定の方も是非ご参考にしていただければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。