コロナ禍で時短営業や業績不振が続いている今日このごろ、
不運にもお給料が減ってしまった方も多いと聞きます。
ちょっと待って!
不可抗力だから、このご時世だからと、減給を受け入れてませんか?
ひょっとして、それは会社の違法行為かもしれませんよ?
というわけで今回は「減給」について調べてみました!
減給になる理由とは? 最大どれくらい?
そもそも通常、何の理由も無く減給が通知される経験はないですよね。
何か問題行動を起こしたり、業績がとてつもなく悪化したり、が考えられる
ケースでしょうか。
減給と言われた場合には、どのくらいお給料が減ってしまうのでしょう?
実は減給の限度額については「労働基準法第91条」という法律で定められており、
1回の減給理由に対する金額は、1日分の給与額の半額が限度額となっています。
ただし、就業規則でこれよりも少ない額を限度額としている場合は、就業規則に
定めた額が限度額となります。
ただしこの労働基準法第91条は
「従業員の問題行動(社内規則違反など)に対して懲戒処分として
減給処分を行う場合」に適用されるルールと決められています。
懲戒ではなく
「従業員との合意による減給のケース」
「管理職を降格させたことによる減給のケース」
などについては、この規定は適用されません。
・・・つまり、会社に言いなりの額で減給し放題なのでしょうか!?
実は別の法律、労働契約法第8条では
「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件
を変更することができる。」
と定義されています。
つまり、あくまで減給するなら労働者が同意してくれないとだめだという見解です。
では実際、企業はどのタイミングで労働者に告知しないといけないのか?
そのあたりについて調べてみましょう。
減給するときに理由や通知は必要?同意しないと違法になるのか!?
もしもあなたが減給の憂き目に遭うとしたら、まぁ9分9厘は企業側からの提案ですよね。
法律上では、労働契約法第9条にて
「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、
労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。」
と謳われています。
しかしこの法律には続きがあって
「ただし、次条の場合は、この限りでない。」この限りではない条件は以下になります。
①変更後の就業規則が労働者に周知されたこと
②労働条件の変更が、以下の事情などに照らして合理的であること
・労働者の受ける不利益の程度
・労働条件の変更の必要性
・変更後の就業規則の内容の相当性
・労働組合などとの交渉の状況
なので「労働者が同意しないと違法」なのではなく、
「労働者が同意しないのに減給するのは企業側が違法」
ということになります。
ちゃんと主張すべき場面では、意見を言った方が良さそうですね。
その点は労働基準法第26条にて
「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、
使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分
の60以上の手当を支払わなければならない。」
と定められています。
つまり会社都合の休業は、最低額でもお給料の6割を労働者に対して
支払わなければなりません。
これは正社員だけではなくパート・アルバイトも該当します。
ちなみに「仕事ができないから減給」というのは法律違反です!
能力が低いからと言って懲戒対象とするのは、理由としては難しいからです。
また役職者が降格させられることで減給となる場合も、就業規則の記載を
根拠に判断してのものなのかしっかり会社から理由が無いと「モラハラ・パワハラ」
扱いで訴えられる可能性があります。
あくまで減給は「労働者の同意があってこそ」と覚えておいてください。
減給とは?最大どれくらい?理由や通知は必要?同意しないと違法? おわりに
いかがでしたでしょうか。
懲戒対処の場合は、お給料の半額まで減給できるとされています。
ただし懲戒以外の場合は労働者の同意があることが前提ですので、
勝手に減給できません。
会社の都合で休業する場合は、お給料の最低6割を支払う必要があります。
正規雇用だけではなく、非正規のパート・アルバイトにも適用されます。
このご時世だから、会社に恩があるから・・・と遠慮している余裕はありません。
しっかりと会社と話し合って、納得できる結論を導き出しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。