あなたは、「バセドウ病」をご存じですか?
バセドウ病は、男性に比べて女性がかかりやすい、
のどの「甲状腺」という臓器の病気です。
似た症状の病気で「橋本病」があり、
「『バセドウ病』と『橋本病』って、何が違うの?」
と、疑問に思う方もいると思います。
また、そもそも「『バセドウ病』って何?」
という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、バセドウ病の症状や原因、橋本病との違いや、
バセドウ病は完治するのかをご紹介しますので、詳しく見ていきましょう!
「バセドウ病」とは?
「バセドウ病」とは?
「バセドウ病」とは、
「甲状腺」を異常に刺激する物質が体内で作られ、この物質が原因で
「甲状腺ホルモン(後述します)」が大量に作られてしまう病気です。
バセドウ病は女性に多く、男性の約5倍、
200人に1人くらいの割合です。
甲状腺を刺激するタイプの抗体が出来て、バセドウ病になるのですが、
いまだ原因は明確になっていません。
血縁者に出やすいので、体質との見方もあります。
本来出来ないはずの甲状腺に対する抗体が出現して、
甲状腺を刺激し、甲状腺が腫れてしまいます。
また、「バセドウ病」という名前は、発見者の名前がつけられています。
「甲状腺」とは?
「甲状腺」は首の真ん中、のど仏のすぐ下にある、
重さ15~20g、大きさ4~5cmほどの小さな臓器です。
蝶々が羽を広げたような形をしていて、
気管に張り付いているのが特徴です。
女性の方が男性より大きくて、高い位置にあります。
通常は、外から見ると分かりづらいのですが、
甲状腺の病気になると腫れてくるので、
首の下が太くなって、分かりやすくなります。
ホルモンの一種である「甲状腺ホルモン」をつくるのが、甲状腺の仕事です。
「甲状腺ホルモン」とは?
「甲状腺ホルモン」は、
身体の成長や新陳代謝などを調節する働きがあります。
脈拍数や体温、自律神経の働きを調節して、
エネルギーの消費を一定に保っています。
子どもの成長や発達、大人の脳の働きを維持するためにも
欠かせないホルモンです。
「バセドウ病」と「橋本病」との違いは?
あなたは、「自己免疫疾患」をご存じですか?
自己免疫疾患とは、本来、身体に入り込んだ異物に対して起こるべき免疫反応が、
正常な自己の細胞を異物とみなして、免疫反応を起こしてしまう病気です。
「バセドウ病」と「橋本病」はどちらも、この「自己免疫疾患」である
という共通点をもっています。
「バセドウ病」と「橋本病」との違いは?『バセドウ病編』
「バセドウ病」は、甲状腺を異物とみなして生成された抗体(※)が、
甲状腺を刺激し続けることによって、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、
身体の新陳代謝が活発になり過ぎてしまう病気です。
病気が進むと、「寝ていても、ジョギングをしている」と例えられるほど、
身体の機能は活動的な状態になり、様々な症状が現われます。
ただ、こうした症状は徐々に進行していくため、
「自分が病気にかかっている」という認識が遅れ、
重症化してしまう方も多いのです。
(※TSHレセプター抗体)
「バセドウ病」と「橋本病」との違いは?『橋本病編』
「橋本病」は、甲状腺を異物とみなして生成された抗体(※2)が、
甲状腺自体の細胞を破壊してしまう病気です。
甲状腺が破壊されると甲状腺ホルモンの分泌が減り、身体の新陳代謝は停滞し、
バセドウ病とほぼ反対の症状(身体機能が低下する症状)が現われます。
恐ろしいことに、橋本病は、自覚症状が現われない場合もあるといいます。
(※2:抗サイログロブリン抗体、抗マイクロゾーム抗体)
「バセドウ病」と「橋本病」の症状の違いは?『総括』
「バセドウ病」と「橋本病」に共通する症状
- 首元が腫れる
(腫れているように感じる) - 足がむくむ
- 髪の毛が抜ける
- 月経不順
「バセドウ病」の症状
- 疲れやすくなる
(「しんどい」といった疲労感) - イライラして、落ち着かないことが多くなる
- 暑い時期がつらくなる
(多量の汗・寝汗をかく)
- 動悸がしたり、手足に震えがでる
- 寝付けなくなり、夜中に何度も目が覚める
- 食事量は変わらないのに体重が減る
- 下痢気味になる
- 無月経
「橋本病」の症状
- 疲れやすくなる
(「だるい」といった疲労感) - 無気力になることが多くなる
- 寒い時期がつらくなる
- 身体中の筋肉が硬くなったように感じる
- 睡眠はとれているのに、いつも眠い
- 食事量は変わらないのに体重が増える
- 顔がむくんだように感じる
- 便秘気味になる
- 月経過多
バセドウ病では前述した症状のほかに、一部の方ですが、
- まぶたが腫れる
- 物が二重に見える
- 目の奥が痛む
といった目の症状が現れることがあります。
「バセドウ病」は完治するの?
結論から申し上げますと、完治します!
バセドウ病の治療法は確立されていて、
日本では薬を使うことが多いのですが、
アイソトープ治療(放射線治療)もあります。
妊娠を控えていてアイソトープ治療が使えない場合や、
悪性のバセドウ病の場合は、手術で腫れた甲状腺を小さくします。
基本的には、薬やアイソトープ治療で完治しますのでご安心を!
バセドウ病とは?橋本病との違いは?完治するの?わかりやすくご紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか。
「バセドウ病」の症状や原因、橋本病との違いや、
バセドウ病は完治するのかをご紹介しました。
芸能人では絢香さんやYOSHIKIさんもバセドウ病と報道されており、
本田圭佑さんも噂されていました。
多くの方が苦しむ病気ですが、
いずれにせよ「早期発見」が大切であることは共通しています。
のど仏の下辺りに違和感があったり、今回ご紹介した症状が出ていれば、
早めに病院で診てもらいましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。