あなたは、毎年10月に京都で催される『鞍馬(くらま)の火祭』をご存知でしょうか?
『鞍馬の火祭』は京都三大奇祭(※)の1つで、
なんと、平安時代の940年から続いており、
今年2018年で1078年の月日を数える
そんな深い歴史を持つお祭りです。
起源は、当時頻発した大地震や争いごとを鎮める目的で、
由岐(ゆき)神社を、平安京から鞍馬の地へ移転させたことが始まりと言われています。
その移転の際の行列は約1kmにも及んだと伝えられ、
その様子を当時の住民が『お祭り』という形で残したのが、
現在の『鞍馬の火祭』と言われています。
今回は、そんな1世紀以上の長い歴史がある
『鞍馬の火祭』の日程やアクセス、当日のオススメ宿泊先に関して、ご紹介させていただきます。
(※)京都三大奇祭
今宮やすらい祭(いまみややすらいまつり) 、太秦の牛祭(うずまさのうしまつり) 、鞍馬の火祭(くらまのひまつり) のこと。
鞍馬の火祭の日程は?
2018年の『鞍馬の火祭』は、以下の日程で開催されます。
開催日程:2018年10月22日(月)18:00頃~
当日のお祭りのスケジュールは下記の通りです。
・18:00
集落各所に松明(たいまつ)が点火され、子供がそれを担いで練り歩きが始まります。
・20:00
鞍馬寺山門前を目指して大松明が出され、集まり次第、各松明は山門前の石段の下に焼き捨てられます。
その後、神社から八所大明神、由岐大明神の2基の神輿が参道を下り、地区を練り歩きながら御旅所へ向かいます。
・0:00
神輿が集落内を練り歩いた後、御旅所に安置されます。
・2:00
『還幸祭』が行われ、神輿が神社に戻され終了となります。
神事ということもあってか雨天の場合も決行、順延はありませんが、
台風などの荒天の場合は中止、または式の変更があります。
しかも、
この日は昼間が京都三大祭の1つ『時代祭』もあることから、
京都の町は1日中お祭りムードで賑わいます。
鞍馬の火祭りのチョッペンの儀とは?
それにしても、
京都三大祭に数えられる『時代祭』に対して、
なぜ『鞍馬の火祭』は京都三大“奇”祭と言われるのでしょう?
実は『鞍馬の火祭』では、
この祭ならではの『チョッペンの儀』という儀式があります。
チョッペンって何?
これを聞かれて即答できるあなたは相当な京都通です。
「チョッペン」とは、
神輿棒の先端にふんどし姿でしがみつき、
神輿のバランスをとる若者のことを指します。
チョッペンの儀とは、神輿が参道を下り、
その際に、ふんどし姿の若い男性「チョッペン」が
神輿の上で逆立ちをし、大きく足を開く成人の儀式なのです。
以下が2017年の『鞍馬の火祭』の様子です。
まさに奇祭の名に恥じぬ映画のワンシーンのような光景ですよね。
鞍馬の男にとっては、『生涯一度の大切な大人になるための通過儀礼』なのです。
そして、その際に網を引く女性にも安産のご利益があるそうです。
一見不可思議な儀式も、その長い歴史や意味を知ると、
感慨深く神聖な光景に映るのではないでしょうか。
鞍馬の火祭へのアクセスは?
鞍馬の火祭が開催される由岐神社へのアクセスは、以下のとおりです。
・電車
比叡電鉄鞍馬線 鞍馬駅より徒歩で約10分
・お車
名神高速道路京都東ICより60分
当日は15時~翌2時まで交通規制があります。
貴船口から鞍馬温泉、百井別れまでの区間で、
自転車含む車両通行が一切禁止になるという情報もあるため、
公共交通機関を使われるのがベターです。
どうしてもお車をご利用の場合は、
会場最寄り駅となる比叡電鉄鞍馬駅よりも手前の駅周辺で、
有料駐車場をご利用することを推奨します。
鞍馬の火祭でオススメの宿泊先は?
前述の日程スケジュールを御覧になると分かりますが、
『鞍馬の火祭』は最後まで見届けると夜2時を過ぎて
かなり遅い時間になってしまいます。
アクセスに利用する比叡電鉄は、
当日の運行本数を増やしているようですが、
それでも乗客数は多く、祭りの最後までいると
終電の時間にも間に合わないこともあるでしょう。
帰りの電車があるうちに切り上げて
帰路に着くという選択肢もありますが、
お祭り好きでなくても、
せっかくだから最後まで観たいと思うのが心情ですよね。
そんなあなたに
当日オススメ宿泊先情報を3つほどご紹介させていただきます。
☆くらま温泉
山に抱かれた緑溢れる宿で、バリエーション豊かな絶品料理に夢見心地になりましょう。
宿泊プランは、和室の1泊2食付(平日)で、2名1室の1人の料金が17,000円、3名以上1室の1人の料金が15,000円~となります。(消費税・入湯税が別途かかります)
ただし、休前日は1人3,240円値段が上がり、特別期間も料金が変化するため、詳細は以下へお問合せください。
予約電話(11:00~21:00):075(741)2131
場所:京都府京都市左京区鞍馬本町520
☆元祖川床の宿 貴船ふじや
京都の「元祖川床」発祥の老舗料理旅館となります。
宿泊プランは、1泊2食付(平日)で、2~4名1室の1人の料金が27,000円~となっています。
予約電話:075(741)2501
場所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町40
☆料理旅館 右源太
パワースポット、鞍馬の自然を感じられる旅館です。
和室・洋室それぞれの宿泊者専用露天風呂があります。
宿泊プランは、和室、洋室があり、1泊2食付(平日)の和室が2名 49,680円~、洋室が2名 45,954円~で人数が増えると1人の料金が安くなっていきます。
また、小学生以下のお子様のご宿泊は承っていないそうなので注意が必要です。
予約電話:075(741)2146
住所:京都府京都市左京区鞍馬貴船町76
他にも素敵な宿泊先はたくさんあるのですが、
お祭りが終わる時間などを考慮し、
できるだけお祭り会場から近い宿泊先をチョイスしています。
京都ならではの美味しいお食事や温泉が楽しめる宿泊先が多いので、
ぜひご検討して早めに予約をとってくださいね。
鞍馬の火祭 おわりに
今回は『鞍馬の火祭』についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか?
余談ですが、由岐神社のある鞍馬山といえば、
かつて鎌倉幕府を開いた源頼朝の異母兄弟、
源義経(牛若丸)が天狗とともに修行をした場所
としても有名です。
他にも、鞍馬山そのものを『最強のパワースポット』
という人もいるほど、
この地には多くの伝説が残されています。
起源から1世紀を超える『鞍馬の火祭』は、
神秘性のある土地柄であることも加わって、
開催時には大変な賑わいを見せます。
2018年の秋は、『鞍馬の火祭』であなたの内なるパワーを充電してみてはいかがでしょうか。
なお、同期間10月15日(月)~23日(火)は、
京都三大祭りの一つ「時代祭」も開催されていますので、
こちらにも足を運んで京都を堪能し尽くしてみてはいかがでしょうか。
当サイトでは2019年も鞍馬の火祭を特集していますので是非ご覧くださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史