あなたは東北・福島で950年の歴史を誇る
「木幡(こはた)の幡まつり」をご存じですか?
2004年には「日本三大旗まつり」のひとつとして、
国の重要無形民俗文化財に指定されています。
今回は、2011年の東日本大震災を乗り越えて、
今なお受け継がれている神事「木幡の幡祭り」について、
由来や2019年の日程、駐車場情報をご紹介します。
木幡(こはた)の幡祭りとは?
初冬の澄んだ空を背景に、ほら貝の音が鳴り響くなか、
白旗を先頭に色とりどりの旗を大空にひるがえしながら、
1日かけて隠津島神社にある羽山神社を目指します。
お祭りで使われる旗は、白旗だけではなく、
5色の五反旗と呼ばれる色とりどりの旗。
五反旗は、高さ10m以上もあり、重さも相当なものだそうです。
木幡第一小学校を会場とする出立式では、旗を持って走る勇壮な旗競争や、
地から響くような力強い東和太鼓の演奏もあり、
見る側も次第に祭り心を駆り立てられます。
「お山かけ」とも言われる幡祭り当日、
祭りに初めて参加する「権立(ごんだち)」と呼ばれる
18歳前後の男子の成人儀礼も行われます。
「権立(ごんだち)」と呼ばれる少年たちは、
首にわら縄でつくった袈裟(けさ)、肩に男根をかたどった木太刀をかけ、
年長者に導かれて幡などを持った男性たちとは別経路で山に登ります。
途中の岩場では、お賽銭と呼ばれる小銭を口にして大岩の割れ目をくぐり抜け、
小銭を一度落として拾う「胎内くぐり」が行われます。
全員がくぐり抜けると「ごんだち呼び」または「ごんだち呼ばり」となり
岩の上に立つ年長者との問答と年長者によるごんだちの命名が行なわれます。
羽山神社に着くと、神社手前の小屋で胎内くぐりのときの小銭を差し出して
乳(ちち)と呼ばれるアズキ入りの粥を食べます。
その後、ごんだちは梵天と丸餅を神社に供えて
ほかの男性とともに参拝して下山します。
木幡(こはた)の幡祭りの由来は?
木幡の幡祭りの由来は1055年の前九年の役まで遡ると伝えられています。
当時、天皇の命令で陸奥(むつ)征伐に向かう源頼義・義家父子らは、
戦いに敗れて、数騎で木幡山に逃げ込んだそうです。
この際、雪が夜に降り積もったことで山が白くなり、
敵の軍勢がこれを源氏側の白旗と見誤り、
「勝ったどー」と戦わずして帰ってくれたそうです。
そのおかげで源の軍は、逃げ延びることができて、
この奇跡と言ってもいい幸運を「幡祭り」として地元の人たちは語り継ぎ、
これが旗祭りのルーツと言われています。
なんだかコントみたいでかわいいですよね。
木幡の幡祭り 2019年の日程は?
木幡の旗祭りは毎年12月第1日曜開催されます。
- 日程:2019年12月1日(日)8時30分~
9時~ 出立式開始
9時30分~ 木幡音頭踊り及び幡競走
10時~ 幡祭り出発
11時~12時30分
木幡山参宿所治家公園 昼食・イベント
1 4時30分~ 羽山神社参拝 (権立 ⇒ 胎内くぐり )
1 5時3 0分~ 隠津島(おきつしま)神社参拝
万歳三唱・ 解散 - 出立式会場:木幡住民センター
- 福島県二本松市木幡字臥内65 (TEL)0243-46-2151
木幡(こはた)の幡祭りへのアクセスは?
出立式会場
- 住所:福島県二本松市木幡住民センター
電車の場合
最寄り駅: JR「二本松駅」→タクシーで約20分
車の場合
最寄IC東北道「二本松IC」→車で25分ほど
木幡(こはた)の幡祭り 駐車場はあるの?
当日、無料の駐車場200台用意されます。
- 出立式会場の木幡住民センター付近:6か所
- 幡行列順路付近:2か所
- 一の鳥居付近:2か所
- 木幡山参宿所治家公園付近:2か所
木幡の幡祭りとは?由来や2019年の日程、駐車場情報 おわりに
950年という長い歴史を持つ木幡の幡祭り。
儀礼を色濃く残し、木幡の幡まつりの参宿所となる
隠津島神社本殿・拝殿の造りは圧巻の一言。
朱塗りの三重塔や樹齢800年の大杉など見所も多数あり、
国の重要無形民俗文化財に指定されているのも納得がいきます。
毎年1万人の人が訪れ、フォトコンテストも開催されており、
平成23年3月11日に発生した、東日本大震災で大きな被害を受けた
福島県二本松市は、かつて経験したことのない激しい揺れを記録しただけでなく、
県内にある東京電力福島第一原子力発電所の事故で、
放射性物質が放出されたことにより厳しい状況の変化にさらされてきました。
震災後、放射線の除染作業や津波など
被害が大きかった地域の人たちの受け入れなど街をあげて行い、
木幡の幡まつりも途切れることなく街をあげて行われています。
あなたも今年2019年は木幡の幡まつりを見物しながら、
この地域の伝統文化や自然の美しさにふれてみてはいかがでしょうか。
豆知識としては、ゆるキャラブームの波に乗って(若干遅れて)、
木幡の幡まつりのマスコットも誕生しました。
地元の東和中学校の生徒からネーミングを募集し、
決定した「幡郎(はたろう)」も祭りに参加し、花を添えています。
隠津島神社は一年を通して散策が楽しめる場所で、春には桜も咲き誇るので、
ぜひ訪れたい場所ですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。