「我が子には良い環境で良い教育を」
少子化が進む現代社会において、親が一人の子どもにかける期待と愛情は、
一昔前とは比べ物にならなくなっていると言われます。
そんな中で今注目されているのが、「育脳」というワード。
今回は育脳について0歳からはじめる久保田式育児法や脳研を中心に
ご紹介していきます。
育脳とは?
「育脳」とは脳の神経細胞の回路(シナプス)の生成がピークを迎える
生後すぐから3歳位までの間に、様々な刺激を与えて脳を育んで行く事です。
サッカースキルを育むのに最適な年齢(ゴールデンエイジ)があるように、
脳にも土台をつくるのに最適な年齢(ゴールデンエイジ)があるのです!
0歳からはじめる久保田式育児法とは?
脳科学に基づく久保田カヨ子さんの「久保田式育児法」が脳育にいいとあって
国内の保育業界や育児雑誌をはじめ、国外でも多く取り上げられ始めています。
久保田式育児法の発案者、久保田カヨ子さんとは?
脳神経科学の世界的権威である京都大学名誉教授の久保田競氏を夫にもち、
夫の文献を基に脳科学を吸収された久保田カヨ子さん。
人間のすべての行動を司るのは「前頭連合野」という脳の領域であり、
この部分を1歳前後までに繰り返し鍛えることが、
脳の発達にとって重要であることを学び、
昔ながらの子育て法が脳の発達に大きな効果があることを確信し、
伝統的な育児法と最新の脳科学との融合した
「久保田式育児法」を確立しました。
また、この手法で育てた息子さんが東京大学に進学したことで
一層注目されているようです。
久保田式のいい育児とは?
育児とは、ご家族がお子さんと触れあい、心を通わせることで、
子どもが本来もっている生きる力を内面から引き出してあげること。
お子さんの動作や反応に目もくれず、
親にとって都合のいい方法だけで子育てをすることでは、決してないのです。
「久保田式育児法」が対象は0~3歳。
久保田さんは
「脳が飛躍的に成長していく0歳から3歳までの手のかけ方が大変重要になってきます。逆に、この時期までに脳の基礎を作ってさえおけば、その後、保育園、幼稚園、小学校と進んでいくときに、それほど苦労しないはずです。」
といいます。
久保田式育児法
久保田式育児法は、特別なことはありません。
一見、当たり前の育児であることが多いものの、なんとなく行うのではなく、
一つ一つの意味を考えながら繰り返し行うことが大切とされています。
オムツを替える時は必ず声をかける
「オムツを替えて気持ち良くなったね」と
気分のいいことを表わす言葉を繰り返してあげましょう。
たとえ、言葉の意味はわからなくても、母親の声の調子や表情で、
それがどんな意味を持っているのかを神経回路は理解しているので、
赤ちゃんの表情も豊かになってきます。
いろんな会話があふれた大家族と違って、
核家族で昼間はお母さんと赤ちゃんだけである環境です。
一回一回意識して赤ちゃんに声をかけてあげることが
将来に影響してくるのですね。
「いない いない ばあ」は記憶力を鍛える
「いない いない~」と言ってる間、
そこにお母さんの顔があったことを覚えておくので、
記憶力を鍛えるトレーニングとして有効なのです。
何かに視線を集中し、物事を期待して待つという行動は
前頭連合野の訓練に適しているとされ、
「いない いない ばあ」とは、赤ちゃんをあやすだけではなく、
知的な発達を促す遊びとして一石二鳥の優れたスキルなのです。
「にぎる、つかむ、ひねる、つまむ」は0歳から
脳の司令塔、前頭前野がその指を使ってどのくらいの力をいつ出すか、
という指令を出すと、それが脳の運動野というところに伝わります。
そこから手や指へ、その情報が伝達されて、手が動くようになっていくわけですから
0歳の時から「にぎる、つかむ、ひねる、つまむ」といった
手や指の運動を繰り返すことで脳が活性化します。
また、それを指の運動に関連させる素材も、
- 木綿やニットの布
- タオル
- ボタン
- ゴムのボール
- スポンジ
など様々な手触り、様々な形の物を使うと良いでしょう。
三原色を知る
赤ちゃんが最初に認識できるのは赤、青、黄の三原色です。
次に黒、白、いろいろと複雑な色が区別できるようになってきます。
最初は色の名称を覚えさせるのではなく、
まず色を認知させ、同じ色と違う色を区別させていきます。
箸や鉛筆などは正しく使っている様子を何度も見せる
箸や鉛筆などはいきなり持たせず、
まずは正しく使っているのを何度も見せることです。
これは、ミラーニューロンシステムを鍛えることになります。
ミラーニューロンシステムとは、
動作、行動を見て、理解して、マネをするシステムで、
マネをすることは創造性の発達を促し、前頭連合野の発達につながっていきます。
「抱っこ」よりも「おんぶ」がいい理由
子どもに何か新しいことを教えるときは、
親が同じ方向を向いて見本を見せることが大切です。
抱っこだと親の動作を逆向きに赤ちゃんが見ることになりますが、
おんぶだと、子どもは親と同じ方向を向いています。
ですから、親の動作を見ながら、
子どもは頭の中にそのしぐさをインプットして、そのままマネできるのです。
脳内のミラーニューロンシステムが働くわけです。
「どっちが好き?」と、質問する
例えば、絵本や図鑑を見ている時など、いろいろな機会に、
「どっちが好き?」と子どもに聞いてみてください。
自分で好きなものを選ぶことは、自分の意見を主張するための訓練になります。
「歩く」より「止まれ!」を覚えさせよ
外は車や自転車など危険がいっぱいです。
靴をはいて外を歩くようになれば、
「止まれ!」と言ったら止まれることが自分の命を守ることにもつながります。
歩き出すと同時に「止まれ!」と言ったら、止まれるようにしつけることが大切です。
どんどん外に出かけよう
赤ちゃんとの外出は、準備が大変で、どうしても家にこもりがちになります。
でも、できるだけいろんな景色を見せて、さまざまな音を聞かせて
刺激を与えてあげましょう。
デパートや商店街、公園などには、
普段家の中では見られないものがいっぱいあります。
また、赤ちゃんが直接触れることのできる砂場や水遊び場は、
皮膚感覚を鍛える絶好のチャンスです。
色々な景色、感触を脳にインプットさせてあげるのが良いでしょう。
単語だけではなく、必ず、「文」で話す
子どもは自分を映す鏡のようなものです。
お母さんが正しい日本語でいろんなことをどんどん話してください。
「いちご」「たまご」などの単語だけではなく、
- 「このいちごは大きいから切って食べようね」
- 「今日はたまごで何を作ろうかな」
というように、必ず「文」で話すようにしてください。
話す時は視線を合わせ、言葉と表情で伝える
生まれたばかりの赤ちゃんでも、
ぼんやりと物がみえていることがわかっています。
赤ちゃんの視野はとても狭いので、
なるべく赤ちゃんの顔に近づいて目線を合わせて話しかけましょう。
言葉だけでなく、お母さんがどういう表情で話しているのかを伝えるために
とても重要なのです。
匂いの感覚を覚えさせるコツ
できるだけ多くの匂いをかがせてほしいと思います。
匂いに敏感な子どもに育てるには、
赤ちゃんのころから匂いについて意識した話かけをすることです。
- 「ごはんだよ。美味しそうな匂いだね」
- 「このいちご、熟れ過ぎて変な匂いがするよ、かいでごらん」
など、できるだけ、「臭い」とか「イヤ」とは最初から言わないように。
臭いイヤなものと頭の中で分類されないようにするためです。
紙を破る
紙を破るというのは高度な手の動きです。
両手を上手に動かして、指先で力を加減しないとうまくいきません。
手の動かし方や力の入れ方など学んでいく必要があり、
はじめは縦にも横にも破りやすい薄紙や新聞紙で練習させて、
できるようになったら、様々な種類の紙でやってみましょう。
また、大きな紙を使って、両手を大きく開きながら、
出来るだけ長く引き裂く練習もしてみましょう。
テレビは好きな番組だけ見せる
テレビは、言葉と映像のシャワーで、
「見る、聞く、話す」ことの訓練として有効です。
何時間もつけっぱなしで、テレビに子守りをさせるのではなく、
好きな番組とその前後10分くらいを目安にテレビをつけましょう。
脳研とは?
「もっと多くのお子さんの成長を手助けしたい」という久保田さんの想いから、
これまでの経験をカタチにするため、
77歳にして久保田式育児法を取り入れた「久保田脳研」を開設したのです。
久保田脳研教室では、これらの育児法をマスターし、
人生経験も豊富な講師たちが、丁寧に働きかけの方法をお伝えしています。
育脳とは?0歳からはじめる久保田式育児法や脳研についてご紹介! おわりに
いかがでしたでしょうか。
しかし、子育て真っただ中のママたちは日々「これでいいのか‥」と、
不安を抱えているものです。
現代の私たちの周りには、あらゆる子育て情報が氾濫していますが、
久保田式育児法は、
特別なことはなく、身近でほんの少しの気配り次第で出来るものばかりです。
昔から変わらない子どもへの関わり方を、
なんとなくではなく、意味を考えながら行ってみる。
それがお子様の脳にいい影響があるのであれば、
試しに取り組んでみる価値があるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。