2019年12月に中国武漢から流行が始まり、
全世界に広まってしまった新型コロナウィルス(以下、コロナ)は
未だ猛威をふるい続けており、デルタ株からオミクロン株へと変異が続き、終息が見えない状況です。
そんなコロナの感染有無を人類が確認する手段の一つ「PCR検査」。
毎日テレビで「今日の感染者は百何十名」といった情報を目にしますが、
PCR検査の詳細についてはイメージが沸きにくいところですよね。
当サイトでも以前「PCR検査とは?値段やどうやってやるのかわかりやすくご紹介します」という記事で取り上げさせていただきましたが、
今回は日本国内であなたにコロナの初期症状がみられた時、
PCR検査をどこで受けられるのか、その所要時間はどれくらいか
についてもあわせてわかりやすくご紹介します。
PCR検査はどこで受けられる?
日本では、コロナの感染拡大に伴い
2020(令和2)年3月6日にPCR検査の保険適用が発表され、
今まで保健所だけで行われていたPCR検査が病院でも受けられることになりました。
とはいえ、インフルエンザのように
病院であればどこでもPCR検査ができるわけではありません。
対策ができる「感染症指定医療機関」でのみ検査が可能です。
感染症指定医療機関とは?
感染症指定医療機関とは、ウイルスが外に漏れださない陰圧と呼ばれる構造があり、
病室内にはトイレやシャワーが設けられ、許可なく病室から出ることはできません。
家族らと面会をするのもガラス越しでマイクを通して会話します。
このような感染対策設備が具備された医療機関のみということになります。
何だかすごく少なそうな印象を受けてしまいますよね。
そして、病院名が公表されると直接患者さんが殺到することから
ネットなどに公表はされていません。
そのため、各都道府県の「新型コロナ受診相談センター」に相談してから
紹介してもらう必要があります。
▶各都道府県の「新型コロナ受診相談センター」はコチラ
PCR検査を受けることができる条件は?
「もしかしたらコロナかも?」
と、自覚があってもPCR検査は検査したい人が誰でもできるわけではありません。
コロナに感染している疑いがある人でも2つの要件があります。
- 【条件1】風邪の症状や37.5度以上の熱が4日以上続く方
(解熱剤を飲み続けなければならない方も含みます) - 【条件2】強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
※ただし高齢者や糖尿病、心不全、呼吸疾患などの基礎疾患のある方や透析、免疫抑制剤や抗がん剤等を服用されている方は、上記症状が2日以上続く場合、渡航歴や患者との接触歴などから、都道府県が必要と判断した場合に検査が行われます。
2020年5月には受診目安が変更になり、上記から「37.5℃以上の発熱が4日以上続いた場合」という文言が削除され、疑われる症状が出ている方は検査できるようになっています。
東京都の新型コロナウイルス感染症電話相談窓口はこちらをご参照ください。
PCR検査は何をするの?
PCR検査は、のどや鼻の奥にある粘膜や分泌物などの検体に含まれる遺伝子を
増幅させて調べるもので、コロナの遺伝子の断片が含まれていれば検出し
感染があったかどうか判定できます。
その綿棒の長さがインフルエンザなどよりも長いとされ、
激痛に苦しむ人もいると言います。
PCR検査の所要時間は?
早くても6時間程度かかるとされ、検体の数によっては数日かかることもあります。
厚労省によると、現在の日本国内のPCR検査の検査能力は1日約9000件。
しかし、実際は多い日でも3800件程度の検査に留まっているのが現状です。
(2020年4月4日時点)
PCR検査の精度は100%正確?
検体となるコロナは
普通のインフルエンザの1/1000~1/100くらいのウイルス量しかないそうです。
そのため、病気があまり早期だとなかなか見つけづらいそうです。
また、PCR検査は
- 偽陰性:感染しているのに陰性となる
- 偽陽性:感染していないのに陽性と判定される
などが出ることが避けられません。
100人の感染者のうち最大でも約70人しか検査では陽性にならないとみられています。
これは結構怖い数値ですよね。
PCR検査の数は増やすべき?
世界のコロナ流行国に比べて日本は格段に検査件数が少ないのは周知の事実です。
それはなぜでしょうか?
- 2020年の夏に開催される予定であった東京オリンピックへの影響
- 安倍政権維持のための政治的背景など憶測
などは色々メディアでも噂されていました。
その真意は不明のままでしたが、検査したい人が検査できる体制をとってしまえば、
症状を疑う人たちが外来に押し寄せ医療機関はパンクしてしまいます。
また、検査したい人の中に感染者が1人でもいた場合、
クラスターという集団感染が起きる危険性もあるというわけです。
日本の検査方針は?
海外の方策のように、
どれくらいの人が感染しているかを調べることに意義がないわけではありませんが、
日本では検査を行う最大の目的は、
まずは重症者を治療につなげ、死なせない方針をとっているようにも見受けられます。
加えて、コロナの場合、風邪のような症状が1週間ぐらい続き、
- 約8割:そのまま治ってしまう
- 約2割:重症化する
とされています。
ただ、早く見つけても重症化を防げるわけではなく、
重症化した患者を救うことができるECMO(エクモ)についても数が限られていることから、
早く病院へ行くメリットはないという判断をしていると言えるでしょう。
ECMO(エクモ)については当サイトの「ECMOとは?何の略?人工呼吸器のメリットとデメリットをご紹介」でも特集しておりますので、併せてお読みいただけると幸いです。
PCR検査はどこで受けられる?所要時間はどれくらい?わかりやすく紹介します! おわりに
いかがでしたでしょうか。
連日のコロナ感染拡大で、日本でも経済活動が滞り、
お店を閉めなければならない人や、自分の命を削って子どもを家に残して
働きに出なければならない人たちが出てきています。
とはいえ、多くの人はまだそこまで危機迫る状況に陥っていないため、
緊急事態宣言が出されていてもどこか他人事のように感じてしまい、
これまで通りの生活している人が多いのが現状のようです。
そのような人は家族や親せきがコロナに感染し、
重症化したり、人生が大きく変わることで、ようやく自分事として捉えることができるのかもしれません。
正しく警戒しよう
毎日テレビをつければ
「本日の新型コロナウィルスの感染者数は・・・」
と天気予報のように感染者情報が流れ、
流行している諸外国の対応の差をマイナス面だけ特に強調されて
放映されているようにも見えることがあります。
民主主義の我が国だからこそ置かれている立場によって考え方は様々ですが、
過度に警戒し過ぎず、気を緩め過ぎないようにしたいものです。
私達にできることは、PCR検査を広く行うことによっておこる院内感染を起こすリスクや
医療機関従事者の人たちへの負担の大きさを考えて、
冷静に判断することでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。