日本の最も大きな問題の一つが少子化で、
その要因の一つに多くの日本人男性が
ED(勃起不全)に陥っていることが挙げられます。
いまや30代の男性でも
- 最近、なぜか射精ができない。
- Ⅱ型糖尿病と診断されてから、EDっぽい・・・
と悩む人が多いことは明白で社会問題として日々議論されています。
今回は日本の国民病になりつつあるEDや糖尿病による
性機能低下について考察していきましょう。
射精できない原因はED?
「薬剤性ED」の原因となる薬剤は?
『降圧薬』
- 「利尿薬(サイアザイド系、スピロノラクトン)」
- 「Ca拮抗薬」
- 「交感神経抑制薬」
- 「β遮断薬」
『精神神経薬』
- 「抗うつ薬(三環系抗うつ薬、SSRI・選択的セロトニン再読込み阻害薬、MAO阻害薬・モノアミン酸化酵素)」
- 「抗精神病薬(フェノチアジン系、ブチロフェノン系、スルピリド、その他)」
- 「催眠鎮静薬(バルビルーツ系)」
- 「麻薬」
『ホルモン薬』
- 「エストロゲン製剤」
- 「抗アンドロゲン薬」
- 「LH-RHアナログ」
- 「5α還元酵素阻害薬」
『抗腫瘍薬』
- 「スルピリド、メトクロプラミド、シメチジン」
『脂質異常症治療薬』
- 「スタチン系の薬剤」
- 「フィブラート系の薬剤」
『呼吸器官・アレルギー用薬』
- 「ステロイド薬」
- 「テオフェリン」
- 「β刺激薬」、「抗コリン薬」
- 「抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン)」
- 「プソイドエフェドリン」
『糖尿病薬』
- 「ピオグリタゾン」
『その他』
- 「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」
射精できない理由は「糖尿病」による性機能低下が原因かも…
射精できないのは、「糖尿病」による性機能低下が原因かもしれません。
「血管性ED(動脈性ED)」
糖尿病の初期の方は、陰茎海綿体や内陰部動脈の
「血管内皮機能障害」が起こります。
血管内皮由来の一酸化窒素(NO)は、
勃起をさせたり、勃起を維持したりするのに重要です。
「血管内皮機能障害」があるとNO産生が低下します。
NO産生の低下により、”陰茎に血液を貯めること”、
つまり”勃起”ができなくなります。
糖尿病になって最初のほうは、陰茎血流の低下から、
「血管性ED」が引き起こされます。
「血管性ED」に対する治療は?
血管性EDのみの場合は、経口薬である「PDE5阻害薬」が有効で、
80%ほどの確率で効果を発揮します。
重症糖尿病患者における
「神経性ED」の場合は、よりNOが少ないため、
PDE5阻害薬が効果を発揮できない場合が多く、
20~30%ほどの確率です。
PDE5阻害薬が無効の場合、「テストステロン測定」を行います。
テストステロン値が低いとNO活性が低下し、
PDE5阻害薬の有効性はほぼありません。
この場合は、「テストステロンエナント酸エステル」を
筋肉注射にて投与します。
とくに、総テストステロン値が300ng/ml以下で、
PDE5阻害薬が無効の場合、有効性が高いとされています。
「神経性ED」
重症の糖尿病になると、微小な血管の障害から
「自律神経障害」が進み、副交感神経である
海綿体神経の障害が発生し、神経性EDが発生します。
「神経性ED」に対する治療は?
重症の糖尿病に伴ったEDでは、神経性EDだけではなく、
陰茎海綿体平滑筋の衰退と線維化による
「静脈溢流性(せいみゃくいつりゅうせい)ED」もあり、
より治療が難しいのです。
陰茎海綿体の衰退が進むと、流出静脈の圧迫が適切に行われなくなり、
静脈溢流性EDが発生してしまいます。
このタイプのEDは、経口薬だけではなく、
「プロスタグランジンE1」などの注射剤も
無効である場合が多く、治療が難しいです。
射精できない?糖尿病による性機能低下やEDについてもご紹介! おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、EDや糖尿病による性機能低下の症状をご紹介しました。
糖尿病の男性は、EDを発症する割合が、
糖尿病でない男性の2〜3倍に上るとの調査結果が出ていますので、
最近なんだか調子が悪いというあなたは
糖尿病になる前に生活習慣を見直すようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。