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特定商取引法に基づく表記とは?テンプレートや違反事例をご紹介

あなたは今月、インターネット上で何か買い物をしましたか?

 

多くの人が「はい」でしょう。

 

インターネット上で様々なものを販売できるようになった昨今。

 

ネットショップを始めるときには「特定商取引に関する法律に基づく表示」が必須となります。

 

その背景としてインターネット上での販売によるトラブルが多いことがあげられます。

 

販売者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールが整理されているのです。

 

今回はそもそも特定商取引法に基づく表記とは何か、定期購入の場合や、そのテンプレート、違反事例をご紹介していきます。

 

ぜひ、最後までお付き合いください。
 



 

特定商取引法とは?

まず、特定商取引法とは、消費者と事業者との間の契約のうち、消費者とトラブルを生じやすい取引類型を対象に規制を定め、消費者を保護する法律です。

この法律で規制の対象となる取引類型は7つ、それぞれ見ていきましょう。

訪問販売

まず、ここでいう訪問販売とは、事業者が営業所等以外の場所(消費者の自宅など)に訪問し、商品などの販売又は役務の提供をする取引のことです。

この中にはキャッチセールス、アポイントメントセールスを含みます。

そして、「営業所以外の場所」と明記されていることから喫茶店や路上での販売も「訪問販売」に該当するので注意しましょう。

(特商法2条1項)

通信販売

最初に通信販売の定義として、事業者が郵便や電話、新聞、雑誌、インターネット等の通信手段により広告を行い、申込みを受ける取引のことです。

この中に後述する「電話勧誘販売」は該当しません。

ここでは事業者がインターネット上で広告し、郵便や電話、インターネット等を介して注文を受ける取引を指していますので、販売者が個人でインターネット・オークションやフリマアプリ上で出品する場合であっても、反復継続して販売等の取引を行っている場合は「事業者」に該当します。(特商法2条2項)

電話勧誘販売

事業者が電話で勧誘して申込みをさせる取引のこと。電話を一度切った後で、消費者が郵便や電話等によって申込んだケースも該当します。

(特商法2条3項)

たとえ事業者から電話をかけていない場合で、消費者に「電話をかけさせ」た場合でも電話勧誘販売に該当します。

連鎖販売取引

個人を販売員として勧誘して、その個人から次の販売員の勧誘をさせていく流れで、販売組織を拡大して行う商品(権利)・役務の取引のことを指し、マルチ商法、マルチレベルマーケティングと言われます。


「入会金を10,000円払ってサプリを購入すると会員になれて、知人に勧めるか、知人を会員にすればマージンがもらえますよ」

「あなたが勧誘した人が会員として加入した場合は、紹介手数料として10,000円を支給しますよ」

「あなたが勧誘して会員になった人が商品を仕入れたら、その代金のうち20%があなたに支払われますよ」

特定継続的役務提供

役務提供事業者が、法令で指定された特定の継続的役務を、長期に提供し、高額の対価を約する取引のことを指し、具体的な対象は下記7つです。

  • エステティック
  • 美容医療
  • 語学教室
  • 家庭教師
  • 学習塾
  • 結婚相手紹介サービス
  • パソコン教室

具体的な長期の期間とは、2か月を超えるものとされていますが、エステティックと美容医療は1か月です。

金額は、役務内容にかかわらず5万円を超えるものとされています。

業務提供誘引販売取引

「仕事を提供するので収入が得られる」と消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引のことを指します。

業務提供誘引販売取引の例は以下があります。

・販売されるパソコンとコンピューターソフトを使用して行うホームページ作成の在宅ワーク
・購入したチラシを配布する仕事
・ワープロ研修という役務の提供を受けて修得した技能を利用して行うワープロ入力の在宅ワーク

特定商取引法ガイド「業務提供誘引販売取引」より引用

訪問購入

購入業者が、営業所等以外の場所で行う物品の購入を指しており、事業者が消費者の自宅等を訪問し、物品の買取を行う取引のことを指します。

店舗といえないカフェや路上であっても取引を行う場合に該当します。

特定商取引法に基づく表記とは?

トラブル防止を目的として、販売者の情報を消費者に向けて表示したものを指します。

ビジネスモデルによって記載項目が異なるものの、共通項目として以下は必須です。

  • 会社名
  • 責任者
  • 所在地
  • 連絡先
  • 料金
  • 支払い
  • 返品・交換の条件
  • 動作環境(ソフトウェアが関連する場合は明記する)
  • 特別な販売条件(具体的にわかりやすく明記する)

 



 

特定商取引法に基づく表記のテンプレートは?

上記を踏まえたテンプレートは以下のようになります。

販売業者 株式会社●●●●●
責任者 代表取締役●●●●
住所 〒●●●-●●●● 東京都〇〇区▼丁目▼番▼号
電話番号 ●●●-●●●-●●●●

受付時間 10:00-18:00(土日祝を除く)

メールアドレス ●●●@●●●.●●
ホームページ https://www.●●●.●●
商品の販売価格 各商品ページをご参照ください。
商品以外の必要料金 ・消費税は販売価格に含まれています。

・サービスの提供を受けるために必要な通信環境等は、お客様の費用と責任においてご用意ください。

・配送料(宅急便●円、メール便●円)

・手数料(コンビニ決済●円、代引き●円)

支払方法 クレジットカード決済・コンビニ決済・代引き
支払時期 ・クレジットカード決済

商品注文時にお支払いが確定いたします。

・コンビニ決済

注文後●日以内にお支払いください。

・代引き

商品到着時、配達員の方へ現金にてお支払いください。

商品の引渡時期 ご注文日から○営業日以内に発送いたします。
返品・交換 商品到着後〇〇日以内に限り返品・交換が可能です。送料については、商品に欠陥がある場合には当方負担、お客様のご都合による返品・交換の場合にはお客様負担となります。
動作環境 サービスの提供を受けるには、インターネットに接続したPC端末が必要です。

 

 

御パンダ
特定商取引法に基づく表記はどこに掲載すればいいの?
合理天狗
運営するWebサービスの全ページのフッターに表示させておくとよいじゃろうて。消費者がどこのページにいても一目瞭然にしておくことが肝要じゃ

個人事業主は自宅の住所や電話番号をWebサイト上で表示すべきか?

例えば、あなたが個人で両親と同居の実家で事業を行っていたら、自宅の住所や電話番号を開示して万一のリスクを負いたくないでしょう。

しかし、「実際に活動している場」を住所として記載することが求められているものの、上記のリスクを鑑みて省略しても、開示請求があれば速やかに対応する旨を明記しておけばOKとされています。

特定商取引法の違反事例をご紹介

特定商取引法に基づく表示義務に違反してしまった場合、どのようなペナルティがあるのでしょうか。

具体的には、「業務停止命令」を受けたり、「社名公表」、刑事罰として、最大で2年間の懲役刑を受けることがあります。

また、2022年6月1日、改正特商法第12条6、改正特商法 第13条2に違反した場合は、行政処分(行政から事業者に対する業務改善指示や業務停止命令)や罰則(懲役や罰金)の対象となります。

例えば、ECサイトの最終確認画面に必要な項目(改正特商法第12条6第1項で定められた内容)を表示しなかった場合や、事実と異なる表示をしたりした場合の罰則は、法人は『1億円以下の罰金』で注意が必要です。

2022年6月1日施行された特定商取引法の改正とは?

特定商取引法が改正され、インターネット通販の新しい表示ルールが2022年6月1日に導入されました。

申し込み前の最終確認画面に注文内容を表示

インターネット上のサイト内で契約を行う際の、最終確認画面に、商品の分量や販売価格、支払い時期・支払い方法、引き渡し時期、申し込み期間、申し込みの撤回・解除に関する事項の明記が義務付けられました。

消費者を誤認させる表示の禁止(注文内容や契約の申し込み手続きなど)

インターネット上のサイト内で最終確認画面に表示した注文、契約手続きの内容で消費者を誤認させる表示も禁止されます。


定期購入で3ヵ月は継続しなければならない制約があるのに、最終確認画面に「お試し」や「トライアル」の文言をつけて、定期購入ではない誤認をさせることは違法と認定される恐れがあります。

申し込みの撤回や解約をさまたげる不実告知(嘘)の禁止

消費者が購入申し込みの撤回や、定期購入の解約などを申し出た際、事業者が撤回・解約をさまたげる目的で事実と異なることを告げる行為も禁止されます。


「定期購入契約のため、残り期間の代金を支払わなければ解約できない」

「その商品の使用をここで止めた場合は逆効果になる」

消費者による注文の取消権を新設

Webサイトの最終確認画面に表示した注文内容(前述の分量など)が事実と異なり、必要事項が非表示で消費者が正確に理解できず注文した場合、消費者はその契約を取り消すことが可能になります。
 



 

特定商取引法に基づく表記とは?定期購入のテンプレートや違反事例をご紹介 おわりに

いかがでしたでしょうか。

特定商取引法は、もともと訪問販売やインターネット販売等、消費者トラブルが起きやすいとされる販売形態について、販売者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールとして定められたものです。

現在は、オンラインサイト運営において「特定商取引に関する法律に基づく表示」が必須です。

消費者の目線で安心感を与えられる販売者情報を表示することは、購入の意思決定に影響します。

しっかりとした「特定商取引法に基づく表記」を行い、あなたの事業が法令を遵守しているという誠実性をPRしていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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