10月になり、少し肌寒さを感じ始める頃。
江戸時代から“小江戸”と呼ばれ愛される川越では毎年、
『川越まつり』
が開催されます。
蔵造りの町並みで知られる川越の町中を
絢爛豪華(けんらんごうか ※1)な山車(だし)が曳行(えいこう ※2)される様は、見る人たちを圧倒します。
川越まつりは、2005年(平成17年)に国指定重要無形民俗文化財となったことも記憶に新しく、世界から注目され、毎年80万人近い観光客が訪れます。
今回はそんな“粋”な川越の秋を彩る、『川越まつり』をご紹介させていただきます!
(※1)絢爛豪華 けんらんごうか
きらりと光り輝いて美々しく派手であること。
(※2)曳行 えいこう
引っ張って進むこと。
埼玉 川越まつり 魅力
川越まつりとは埼玉県川越市の川越氷川神社で毎年行われる祭礼で、正式には『川越氷川祭』といいます。
360年以上続いてきた歴史のあるお祭りで、毎年開催される2日間には80万人を超える人手があります。
川越まつりの見どころの一つは『曳っかわせ(ひっかわせ)』。
曳っかわせとは、山車と山車がすれ違う際に山車同士を向かい合わせ、それぞれの山車が囃子(※3 はやし)で競い合います。
『競い合う』といっても勝ち負けを決めるようなものではなく、進行についてはその時の運行状況で、山車の責任者同士の判断で決められます。
『山車や神輿が顔を合わせたら、問答無用で勝負じゃないの?』
と思われますよね?
もちろん、日本各地にはそういったルールのお祭りもあります。
しかし川越まつりにおいて、この『曳っかわせ』は、山車の御神体に降りた神への奉納が起源とされており、もともと勝負事ではありません。
同じ山車の運行でも、それぞれのお祭りの起源によって全く違う意味や行動になるのが、日本のお祭りの面白いところです。
また、他にも見どころといえば、昼と夜でまったく違う雰囲気を楽しめるところ。
昼間は明るいこともあり、個性的な山車を隅々まで見比べながら、お祭りを回れます。
人形、彫刻、幕の刺繍(ししゅう)など、全29基の山車それぞれの個性を見比べることができますね。
対して、夜になると提灯に明かりが灯り、山車は一気に幻想的な姿になります。
川越まつりに足を運ばれた際には、ぜひ昼と夜の両方を見ていただきたいところですね。
そして、川越まつり最大の見どころは、既出の見どころを合わせた『夜の曳っかわせ』です。
提灯が乱舞し、幻想的になった数台の山車が囃子で競い合う様は、非常に荘厳で美しく、お祭りの最高潮の場面と言えるでしょう。
(※3)囃子 はやし
笛・鼓・太鼓・三味線などで拍子をとって、その場の雰囲気を演出する音楽のこと。
以下は過去の埼玉「川越まつり」の様子です。
埼玉 川越まつり 開催情報
日時 | 2018年10月20日(土)21日(日)。
(毎年10月の第3土、日) ※雨天の場合:各山車を保有する町内の判断で、山車の運行を見合わせる場合あり。 |
場所 | 埼玉県川越市 |
問合先 | 川越市役所観光課 |
電話 | 049-224-5940 |
メール | kanko@city.kawagoe.saitama.jp |
▼お祭りスケジュール(2017年のご参考です)
1日目(土曜日)
14時~15時頃:山車の巡行
19時~21時頃:曳っかわせ
2日目(日曜日)
13時30分頃~15時頃:山車の巡行
18時30分~21時頃:曳っかわせ
埼玉 川越まつり アクセス
現地へのアクセスは、電車とお車それぞれ下記のようになっています。
◎電車:最寄りは川越駅です。
・大宮から、JR川越線で約20分。
・池袋から、東武東上線急行で約30分。
・新宿から、JR埼京線快速で約50分。
・横浜から、東急東横線、東京メトロ副都心線で約78分。
・本川越駅からお越しの場合、新宿から西武新宿線(西武新宿乗車)特急で約45分。
◎お車:
・東金有料道路「東金IC」→九十九里有料道路、国道128号線
・東京湾アクアライン→館山道「木更津北IC」→国道409号線→国道297号線
・東京方面から
関越自動車道練馬IC〜川越IC 21.2km
国道254号で池袋〜川越 32km
首都高速与野IC〜川越 15km
・八王子方面から
中央自動車道八王子IC〜八王子JCT〜鶴ヶ島JCT〜川越IC 56.9km
中央自動車道八王子IC〜八王子JCT〜川越IC 58km
交通規制は、川越駅~氷川神社にかけて、山車の巡回ルートを中心が対象となります。
開催場所は駅近なので、公共交通機関の利用がオススメです。
どうしてもお車という方は以下に臨時駐車場を記載しておきます。
駐車場名 | 住所 |
市民グランド(190台) | 埼玉県川越市宮元町23 |
川越駅西口臨時駐車場(100台) | 埼玉県川越市脇田本町20―8 |
埼玉 川越まつり 『川越まつり公認』アプリ「川越まつりナビ」
川越まつりでワンランク上の楽しみ方をしたいあなた!
「川越まつりをより楽しむ」というコンセプトでリリースされている『川越まつり公認』アプリ「川越まつりナビ」を以下よりインストールしてみてはいかがでしょう。
このアプリの主な4機能をご紹介します。
【1】山車の現在位置表示機能
なんと運行しているすべての山車の現在位置を表示してくれます。
そして山車は実際に地図上を移動します。ご自身の現在位置も表示されますので、簡単に山車を見つけられるという優れものです。
【2】山車の情報もその場で確認できる機能
川越まつりを練り歩く目の前の山車の歴史情報まで詳細を確認できます。
【3】会場施設のご案内する機能
現在地から休憩場やトイレの場所をすぐに調べることができるうえ、ルート案内も可能です。
小さいお子さま連れのお客様には、授乳やおむつ替えができる「赤ちゃんの駅」へのご案内もあり、まさにいたれりつくせり!優秀すぎますね。
【4】交通情報のご案内する機能
駐車場の位置や、駐輪場への位置はもちろん、駐車場の空き情報がチェックできます。
こんな素晴らしいアプリができてしまうほど人々に愛されているということですね。
埼玉 川越まつり 終わりに
今回は川越で360年以上の歴史がある川越まつりを紹介させていただきました。
この川越まつり、実は江戸『天下祭』を現代に再現したお祭りなのです。
天下祭というのは江戸時代から続く東京の代表的なお祭りで、現在では主に神田明神の神田祭や日枝神社の山王祭を指します。
従来の天下祭は山車が町中を練り歩くお祭りでした。
明治維新後は、近代化に合わせて変化していく町中で山車が進行しにくくなっていきます。
(あの神田祭もかつては山車が出ていましたが、今では神輿に変わっています。)
世の中の変化に伴い、お祭りも変化していく中で、今でも山車が町中を練り歩く川越まつりは江戸時代からの天下祭の流れを色濃く残しています。
ぜひ、今年の秋は“小江戸”川越に今も残る江戸の空気を体感してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史