暑さが和らぎ、やっと秋らしい気候になる時期、
琵琶湖の西南に位置する大津市では
『湖国三大祭(※1)』の1つ、『大津祭』が開催されます。
京都祇園祭の風情を色濃く継承しながらも
独自の変化を遂げて現在に至る『大津祭』。
その起源に関して明確な資料は残されていませんが、
唯一残されている記録から400年以上の歴史と伝統があるとされ、
国指定重要無形民俗文化財にも指定されているお祭りです。
また、お祭りの際に市街地を練り歩く曳山(※2)は、
その全てが江戸時代に製作されたもので、
まさに『動く文化財』と言っても過言ではないでしょう。
今回は、そんな『大津祭』についての日程やイベント、アクセス情報などをお話ししていきましょう。
(※1)湖国三大祭
琵琶湖のある大津で開催される祭の呼び名で、山王祭、大津祭、船幸祭を指す
(※2)曳山 ひきやま
山車(だし)の別称
日本の祭事に引いたり担いだりする出し物の総称で、地域によって呼び方や形式が異なる
大津祭の2018年の日程は?
2018年の『大津祭』は、下記の日程で行われます。
・山建て
2018年9月30日(日) 8:30~15:00
本祭の1週間前に、
江戸時代から受け継がれてきた13基の曳山が山蔵から出され、
丁寧に組み上げられます。
大津祭ではこの組上げ作業を公開していますので、見学することができます。
昼から夕方にかけて曳き初めが行われ、
各町内ごとに組み上がった曳山から順番に
お囃子(※3)をしながら町内を回ります。
比較的人が少なく空いてますので、
じっくり曳山を見たい場合には絶好の機会ですよ。
・宵宮(※4)
2018年10月6日(土)夕刻 ~ 21:00
宵宮当日は昼1時頃から宵宮引きを行い、
13台の曳山が各町内を練り歩きます。
囃子方が乗り込み、激しいお囃子の演奏とともに宵宮の始まりと、
祭り本番が近づいていることを町内にアピールします。
巡行が終わると曳山や町内に大吊り提灯の準備を始め、
午後6時に宵宮が始まると、笛・太鼓・鐘のお囃子で盛り上がります。
無数の提灯に曳山が優美に浮かび上がった姿は幻想的で、
その様子を一目見ようと、町は多くの人出で賑わいます。
・本祭
2018年10月7日(日)9:00~17:30
天孫神社の鳥居前でからくり奉納が行われた後、曳山巡行が開始されます。
大津の市街地を13基の曳山が巡行し、
ところどころで見事な『からくり』を見ることができます。
天孫神社を出発してからは、お囃子を披露しながら、
京町通り、県庁前通り、浜通りへと進みます。
中央大通り辺りで一度休憩をして、
京町通り、寺町通りへと進んでいきます。
大津祭の醍醐味は、曳山が所望に到着した際に披露される『からくり奉納』と、
その後に撒かれる『厄除けちまき』争奪です。
(雨天の場合も決行されますが、荒天時には中止となる場合があります。)
以下は2017年の大津祭の映像で非常に荘厳で美しい映像です。
(撮影者はHi64eという方で素晴らしい撮影スキル!)
(※3)お囃子 おはやし
笛・鼓・三味線などで拍子をとって、その場の雰囲気を演出する音楽
(※4)宵宮 よいみや
宵宮祭(よいみやまつり)とも呼ぶ、例祭の前夜に行われる小祭のこと
大津祭へのアクセスは?
『大津祭』へのアクセスは、下記となります。
☆電車(大津駅まで)
・大阪駅からJR京都線新快速 近江塩津行で約40分
・京都駅からJR琵琶湖線 野州行で約10分
・三条京阪駅から京都市営東西線 六地蔵行で約10分
大津駅より徒歩約5分
☆お車
名神高速道路『大津IC』→県道56号線、県道103号線→『天孫神社』(約5分)
お車でお越しの場合、特設駐車場や臨時駐車場は用意されていないため、
当日は近隣の有料駐車場をご利用する必要があります。
以下に会場周辺の公共駐車場を4件ご紹介しますが、
当日は周辺道路が大変混雑しますので、どうしてもお車をご利用の際には、
お早めの行動を心がけましょう。
大津駅周辺の駐車場
・大津駅南口公共駐車場 ・大津駅北口公共駐車場 ・大津市浜大津公共駐車場 ・大津港駐車場 |
大津祭 おわりに
今回は滋賀県の『大津祭』についてお話ししてきました。
因みに、『大津祭』の醍醐味の1つとして
『厄除けちまき』の争奪、とご紹介しましたが、
食べ物のちまきを想像しませんでしたか?
実は大津祭のちまきは食べ物ではなく、
自宅の玄関先や軒下に吊るしておくと厄除けになると言われている
『笹の葉で作られたお守り』のことです。
『厄除けちまき』は曳山に乗っている人たちによって撒かれるのですが、
たくさんの人たちが曳山の周りに集まり、
争奪戦はかなり激しいものとなります。
確かに、食べ物のちまきが撒かれて激しい争奪戦になったら、
中のお米がグチャグチャになってしまいますよね…。
さらに争奪戦で怪我でもしたら、それが厄となり本末転倒です。。
競争率が高く、簡単には手に入れることができませんが、
せっかく参加するからには、ぜひ勝ち取りたいところですよね。
ただし、『厄除けちまき』は『からくり奉納』が終了後に撒かれますので、
奉納中に催促したりすることは控えましょう。
ルールとマナーを守り、ぜひ、伝統ある『大津祭』を楽しんでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史