今回ご紹介するのは「RAID」です!
コンピュータを使うと、どうしても避けられないリスクが「故障」。
色んなデータを詰め込んでいるPCやサーバが壊れてしまったら、どうしますか?
現代は紙の資料での管理はほとんど無いので、
コンピュータが壊れてしまったら永遠にデータは消えてしまいますね。
そんな悲惨な状況を回避するための手段が、バックアップです。
バックアップといっても規模や予算に合わせて色々な方法があります。
RAIDも、そんなバックアップ手段の1つです。
今回は、コンピュータを安全に利用できる環境を構築するための仕組み、
RAIDのレベル別解説、構築方法について調べてみようと思います。
そもそも「RAID」って何なの?
[ビッグデータサーバ.jpg]
RAIDとは「Redundant Array of Independent Disk」の略で、
ミラーリングされた環境をシームレスに利用するための仕組みです。
例えば、2台以上のハードディスクを仮想的に
1つのドライブであるようにPCが認識できるようになります。
コンピュータに関するミラーリングとは、
ハードディスクの障害に備えるための施策です。
複数のファイルやディレクトリ構造を、
別のストレージにまったく同じ構成で複製することを指します。
広くいってしまうと「バックアップコンピュータ」ですね。
RAIDを構築しておくと、一部のハードディスクが故障しても
ミラーリングされたハードディスクが生きているので、
そのままコンピュータの稼動を継続できます。
この時ディスクを稼働させたまま故障したハードディスクを取り外して、
代わりのハードディスクに交換することができるので
装置を停止することなく運用を続けることができるようになります。
どちらかのサーバが壊れても、読者は日本酒リストを参照し続けることができるのだな。
RAIDには複数のレベルがあり、それぞれ特徴が異なります。
- レベル0:ストライピング
- レベル1:ディスクミラーリング
- レベル01 (0+1) および レベル10 (1+0)
- レベル2:ストライピング(ハミングコード)
- レベル3:ストライピング(パリティコード)
- レベル4:独立R/Wアクセス(パリティディスク固定)
- レベル5:独立R/Wアクセス(パリティディスク分散)
- レベル6:独立R/Wアクセス(パリティディスク分散(2台)
「ストライピング」とは?RAIDレベル別に何が違う?
ここから、代表的なRAIDのレベルを取り上げて解説しましょう。
ストライピングとは、
2台以上のハードディスクに常にデータを分散して書き込んでいくモードです。
1度の書き込みで「このデータはPC1番に、このデータは2番に」
と書き分けています。
長所としては、効率的に書き込みできるので
ディスクへの読み込み/書き込み速度を向上できる点です。
弱点としては、書き込みするコンピュータに1台でも故障が発生すると、
書き込み自体できなくなるので
全てのコンピュータのデータが読めなくなってしまいます。
同じデータを2台以上のハードディスクに全て同じ内容で書き込むモードです。
丸ごとバックアップのイメージですね。
長所としては、コンピュータが1台故障しても、
他のコンピュータでデータが守られていることです。
弱点としては、削除したデータは全てのディスクから削除されますので、
バックアップは無くなることです。
また、大容量のディスクを複数用意する必要があるため、費用は割高です。
レベル01とレベル10は
ストライピングとミラーリングを組み合わせたものですが、
それぞれ構成は異なります。
レベル01は、
データをブロック単位に分割して並列に書き込む(ストライピング)と同時に、
2つのディスクにまったく同じデータを書き込みます(ミラーリング)。
レベル10とは、
2つのディスクにまったく同じデータを書き込み(ミラーリング)、
さらにデータをブロック単位に分割して並列に書き込みます(ストライピング)。
- ストライピングされたディスクが複数できるか
- ミラーリングされたディスクが複数できるか
の違いですね。
レベル01とレベル10は、
どちらも安全性が倍になるのと引き換えに、費用も倍になるのが悩ましいところです。
他にもエラー訂正コード(パリティコード)を利用したレベル3以降など、
バックアップの手法は多々あります。
どれも長所と弱点を理解して、一番合った方法を利用しましょう。
RAIDとは?ミラーリングとディスクストライピングをわかりやすく説明 おわりに
いかがでしたでしょうか。
RAIDは、大容量データの高速処理や耐障害性の向上を必須要件とする
大規模な業務用サーバやワークステーション、
特定目的に製造されたコンピュータ機器等に用いられていましたが、
最近では個人用途でも大容量データを扱う場面が多く、
USB接続やネットワーク対応型のHDDなどでRAIDを導入していたり、
ノートパソコンでもRAIDを導入している物が発売されています。
強度と用途と予算によって、賢く使い分けしたいところですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。