今年2020年初頭に始まった新型コロナウィルスの感染拡大は世界中を飲み込み
第一波は収まりつつあるものの、ワクチンもなく、未だ収束が見えません。
日本でも感染者数が増加し、
- 小・中・高校の休校措置
- マスクや紙製品の不足
など世界経済までも揺るがす事態になっています。
テレビをつければ毎日流れる「コロナ」というワード。
しかし、未だに謎の多いウィルスであるため、「現時点でわかっていること」を整理して、あらためて新型コロナウィルスとは何なのか、症状や対策にくわえ、気になる空気中での生存時間を徹底分析していきます。
新型コロナウィルスとは?
コロナウィルスとは何百というウイルスの仲間のひとつで、
- 発熱
- 呼吸疾患
- 胃腸の症状
なども引き起こすものです。
現在のところ、コロナウィルスは以下4グループにカテゴライズされています。
- α(アルファ)
- β(ベータ)
- γ(ガンマ)
- δ(デルタ)
γとδは主に鳥類に感染するコロナウィルスで、
αとβは主に哺乳類に感染するものです。
感染しても深刻な症状を引き起こさないコロナウィルスも多いですが、今回問題になっている2019年に発見された新型コロナウィルス「SARS-CoV-2」は、ヒトに感染することがわかっているコロナウィルスの仲間の7種のうちの1つです。
コロナウィルスの仕組みは?
コロナウィルスは、1本のRNA(リボ核酸)からできており、その遺伝物質は小さなスパイクたんぱく質(とげ状のたんぱく質)が突き出した薄膜に囲まれています。
顕微鏡で見ると「王冠」のような形状をしていることから「王冠」を意味するラテン語の「コロナ」(corona)と名前づけられました。
コロナウィルスが体内に入ると、スパイクたんぱく質が宿主の細胞にくっつき、細胞の核にRNAを注入します。
そして複製機構を乗っ取り、さらにウイルスを増やすことで感染が起きます。
症状が比較的重症ではないコロナウィルスは、鼻やのどなどの気道の上部に付く傾向があります。
MERSウイルスのようなコロナウィルスの一種は、肺や気管支にとりつき、さらに重い感染を引き起こし、
- 呼吸障害
- 腎機能障害
なども引き起こすことがあります。
また、コロナウィルスのなかには、免疫システムを回避できるたんぱく質をつくりだすものもあり、患者の免疫反応が大きくなればなるほど、症状は深刻化してしまうのです。
新型コロナウィルスの症状は?
これまでに確認された症例では、ほとんどの人が
- からせき(たんのないせき)
- 発熱
- 息苦しさ
- のどの痛み
- 頭痛
などがあります。
風邪やインフルエンザの症状と変わらないため、もともと健康な人がかかっても検査をしなければわからないことが多いようです。
ただし、
- 呼吸器官などに持病を持っている人
- 高齢者など免疫が低い人
などがかかると
- 肺炎
- 髄膜炎
など重症化し死に至ることがあります。
新型コロナウィルスは、症状が出るまでの潜伏期間は2日から14日程度といわれており、発熱やせき、息苦しさなどの症状が現れる前でも、しばらくの間ほかの人たちに感染させる可能性があります。
この潜伏期間の長さがインフルエンザなどの感染期間と比べ幅があるため、感染を拡大させる要因の一つとなっています。
新型コロナウィルスの対策は?
感染経路はズバリ「飛沫感染」です。
そう、
- くしゃみ
- 咳
- 鼻水
などから感染が広がるということです。
このため、くしゃみ、咳、鼻水、発熱など風邪症状がある人は「せきエチケット」としてマスクをすることが必要です。
自衛にも他の人へ迷惑かけないためにもマスクが有効であることから、買い占めが起き、マスク不足が続いています。
医療機関で勤務する人以外の症状がない健康な人ができる対策は、とにかく手を洗うこととされています。
人は思っている以上に無意識のうちに手で様々なところを触っています。
- ドアノブ
- スマートホン
- 電車のつり革
- パソコン
- お金
- エレベーターのボタン
- エスカレーターの手すり
あらゆるところに各種のウイルスや菌がついています。
知らず知らずのうちに触っており、
その手で目や口、鼻を触って自分で菌やウイルスを運んでいるのです。
そのため、面倒くさくても20秒以上の手洗いをこまめに行うことが唯一できる対策と言えます。
ウィルスが色などで見えればよいのですが想像力を膨らませるしかないのが現状です。
特に外出自粛が続く中、ジョギングをし始めている方が多いのですが、マスクをしていない人は飛沫を撒き散らしてしまう恐れがあるので注意です。
こちらについては当サイトの別記事「マスクしないでジョギングは大丈夫?コロナの空気感染リスクを考察」で特集しておりますので、併せてお読みいただけると幸いです。
新型コロナウィルス空気中の生存時間とは?
新型コロナウィルスが空気感染するのは他のウィルスとの大きな違いです。
そして、新型コロナウィルスが空気中にどれくらい生きられるのかは、まだ明らかになっていません。
すでに分かっている
- 重症急性呼吸器症候群(SARS)
- 中東呼吸器症候群(MERS)
といった他のコロナウィルスは、正しく消毒しないと、
- 金属やガラス、プラスチックの上で最長9日間
- 一部のウイルスは、低温状態で最長28日間
生きられます。
この性質が新型ウイルスの拡散にどう影響するのかはまだ明らかではありません。
新型コロナウィルスはインフルエンザよりも怖い病気?
どちらも重症化しやすいリスクが高い人がいることは同じです。
しかし、インフルエンザとの最も大きな違いは、インフルエンザの場合は医療制度の備えができているという点です。
インフルエンザは毎年流行します。
他の年よりも重症を引き起こすウイルスが流行する年もありますが、それでも医師たちは治療の方法、予防の方法がわかっているのです。
これに対して新型コロナウィルスは、どのように広がるのかなど、わからないことが多いうえに、治療用のワクチンがまだありません。
そのため、今回のような世界各国の政府が
- 中国への渡航をやめるようにすぐ勧告を出した
- 新型コロナウィルスに接触した可能性のある人々を隔離した
なども、それが理由です。
人類の英知で丸裸にして解析が進むまでの間、時間稼ぎをするしかないのです。
そういう意味で、現時点では既知で解析が進んで動きが把握できているインフルエンザよりも恐ろしいと言えるでしょう。
新型コロナウィルスとは?症状や対策、空気中の生存時間を徹底分析 おわりに
いかがでしたでしょうか。
新型コロナウィルスの感染拡大による社会的影響は未だ底が知れません。
当初に比べて世界中が連携し、症状や対策が明らかになってきた現在も、
- 猫への感染が発見された
- 若い人にも重傷者が出た
など、未知の部分が多いことにより社会的不安が収まらず、経済にまで及んでいることは明らかです。
一日も早く事態が収束するよう、世界が手を取り合って進んでいけることを願います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。