不動産投資の勉強を始めたばかりの人が耳にする聞きなれないワードの一つに
- 不動産投資信託
- REITリート
があるのではないでしょうか。
コロナウィルス感染が拡大を見せ始めた2020年3月頃、J-REITは大きな下落をし、
これは物件価格が数年以内に下がり始める兆しなんて報道がされています。
そこで今回は不動産投資にでてくる不動産投資信託とリートとは何か、
わかりやすくご紹介していきますね。
不動産投資信託とリートって何?
不動産投資信託=リート(REIT)「Real Estate Investment Trust」です。
投資家から集めた資金をもとに投資法人が不動産への投資を行い、
そこから得られる不動産の売買益や賃貸収益を投資家に配当する商品で、
日本語では不動産投資信託と呼ばれています。
REIT(リート)はもともとアメリカで生まれ、
日本においては仕組みがアメリカのREIT(リート)と異なる点もあるため、
日本版のREITは「J-REIT」と呼ばれています。
J-REITは、2001年に2銘柄で誕生後、順調に推移しましたが
リーマンショックにより一度低迷します。
しかし、その後市場が再び拡大し、アベノミクスによる景気回復を受け拡大し続けています。
2001年の時点では2銘柄、時価総額2400億円ほどでしたが、
2017年12月の時点で、銘柄数は59銘柄、時価総額は11兆円を超えています。
投資法人とは?
投資法人とは資産を、主として一定の資産に対する投資として運用することを
目的として設立された法人です。
株式会社の株式にあたる投資証券を発行し、投資家はこの投資証券を購入します。
投資法人はこの資金をもとに不動産に投資を行っていきますが、
不動産を運用することだけを目的として創られた器なので、
実際の運用、資産保管などそれ以外の業務は全て外部へ委託します。
不動産投資法人から委託を受けた運用会社がどの物件に投資するのかを決め、
実際に不動産を購入します。
そのあと、実際に不動産投資から賃料収益を投資家に分配していく流れになります。
これらの投資証券は、株式などと同様に証券市場に上場しており、
証券会社を通じて日々売買することが可能です。
J-REITの種類は?
投資対象には、
- オフィスビル
- 賃貸住宅
- 商業施設
- 物流施設
- ホテル
- インフラ施設
など様々な不動産が対象となります。
投資法人により、運用する不動産の種類は様々ですが、
- 単一用途特化型REIT
- 複数用途型REIT
の2つに分けられます。
単一用途特化型REITとは?
ある特定の用途の不動産のみに投資するREIT(リート)で、
- オフィスビル特化
- 住居特化
- 商業施設特化
- 物流施設特化
- ホテル特化
などがあります。
複数用途型REITとは?
複数の用途の不動産に投資するREIT(リート)のことです。
オフィスビルと住居、
といった2つの用途の不動産を組み合わせて投資する複合型REITと、
商業施設と物流施設とホテルといった
3つ以上の用途の不動産を組み合わせて投資する総合型REITの
2つのタイプがあります。
不動産投資信託の購入方法は?
基本的には株式と同じで、
- 証券会社に口座を開く
- 株式同様4桁の銘柄コードを指定する
- 証券取引所にて売買を行う
という流れです。
手数料体系も株式と同様であり、NISAを使って購入できます。
ただし、J-REITは株式と異なり、購入単位が1口単位となっています。
国内株式は単元株数が100株へ統一されましたが、J-REITはこの限りではありません。
税制も基本的には株式同様ですが、
J-REITの分配金において総合課税を選択した場合には、
株式の配当金と異なり配当控除の対象とならないので注意が必要です。
J-REITのメリットで利回りが他の投資商品より高いのはなぜ?
J-REITの投資法人は法人税が免除される
投資法人という形態をとり、当期利益の90%超を投資家に分配することで、
税金が免除される仕組みになっています。
そのため、法人税がかからず全額分配金に回すことができるため、
利回りが高くなっているのです。
金融緩和政策により、不動産価格が上昇し支払い金利が低下している
「アベノミクス」による、金融緩和政策も利回りに影響を与えています。
金融緩和政策により、
余剰資金が不動産市場に流入することが不動産価格の上昇要因となるためです。
また、金融機関からの借り入れによって資金を調達しているため、
金利の低下に伴い支払い利息も減少します。
J-REITの利回りは長期で安定している
分配金は、不動産の賃料収入がメインになっています。
また、多数の不動産に分散投資を行いリスク分散もしているため、
分配金は長期で安定したものになっています。
不動産のプロに運用を任せることができる
通常不動産投資においては、
投資対象の不動産の選定や売買や収益分析など専門知識が必要となります。
また、物件管理や契約手続きなど複雑で面倒な業務がたくさんありますが、
これらを全てプロに任せることができ、手間を減らすことが実現されています。
少資金から購入可能である
不動産投資であれば数千万円単位での投資となりますが、
J-REITは数万円単位から投資が可能となります。
流動性が高く換金がしやすい
実物の不動産を購入すると流動性が低く、
即お金が欲しい時でもなかなかお金が手に入らないことが多いものですが、
J-REITは証券市場に上場しているため売買が用意で換金性が高いのが特徴です。
豊富な資金による分散投資が可能
実物の不動産投資を行う場合、
投資金額が大きいため複数の不動産へ分散投資を行うのは困難です。
一つの不動産のみ投資している場合、
- 不動産の価格が下落
- 空室が発生した
などの場合にリスクが大きくなります。
しかし、J-REITは様々な用途や地域の複数の不動産に投資しているため、
分散投資が可能となりリスクを軽減することができます。
J-REIT(リート)のデメリットは?
不動産市場におけるリスク
不動産への投資であるため、不動産市況の影響を受けます。
- 不動産の賃貸市場や売買市場
- 経済情勢
など様々な要因によって不動産の賃料収入や評価額が変動します。
よって、銘柄個別の業績に関係なく価格や分配金が減少するおそれがあります。
金利変動リスク
- 投資家から資金を集める
- 金融機関からの借り入れ
などにより不動産を購入します。
このため金利が上昇すると、利息負担が増加するため、収益の減少要因となります。
また、金利の上昇により
J-REITの分配金利回りと国債等とのイールド・スプレッド(※)が減少した場合、
J-REITの価格が減少するおそれがあります。
(※)債券の利回りの差のことを指します。
地震・火災などによるリスク
実物資産である不動産を投資対象としているため、
- 自然災害などによる建物の滅失
- 毀損
- 環境問題
などによりREITの価値が減少し、分配金が減少するリスクがあります。
投信法及び不動産に関わる法、税制度等の変更に関するリスク
- 投信法
- 不動産税制
- 建築規制
など不動産に関わる法律や税制の変更など、
REITに関わる制度変更により不動産価格や収益が減少するリスクがあります。
投資法人の倒産及び上場廃止リスク
REITにおいても、投資法人におけるキャッシュフローの悪化などから
一般の企業と同様に倒産リスクがあります。
ただし、所有する不動産の価値がゼロになるわけではないため、
倒産時に不動産を売却し投資資金が返金される場合もあります。
また、証券取引所の上場廃止基準に該当した場合、
上場廃止となるリスクがあります。
【初心者】不動産投資信託とは?リートってなに?わかりやすくご紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか。
J-REITは全国の都市部のエリアの不動産を中心に投資していることが多いものの、
- 関西圏の不動産を中心に投資しているもの
- 九州圏の不動産を中心に投資しているもの
などもあります。
プロが運用しているため、
土地勘がなく、不動産の知識がなくても取り組むことが可能ですが、
メリットばかりではなく、不動産投資と同じようなリスクやデメリットもありますので、
色々な準備を怠らないよう取り組んでみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。