年の瀬になると、様々なお歳暮ギフトを見かけるようになりますよね。
あなたは、誰かにお歳暮を贈ったことがありますか?
ええっ? 1度もない? というか 誰に、いつ贈ればいいかわからない!?
お歳暮は、親戚、上司、取引先など、日頃お世話になっている方々贈るものです。
しかし、年の瀬に贈る、と言っても実際に贈って良い期間はいつなのか?
お世話になっている方に贈る際のマナーはどうすればよいのか?
イマイチ曖昧なままお歳暮を贈ってしまっている方も多いのでは?
今回は、お歳暮について知っておくべき由来、贈る時期、注意点などをまとめてみました。
あなたの感謝の気持ちが正しく伝わるように、少しでも参考にしていただければ幸いです。
お歳暮 由来は? いつ贈るの?
さて、お歳暮という言葉の由来ですが、そもそも歳暮(せいぼ、さいぼ)という言葉は
『年(歳)の暮れ』
という意味合いの言葉です。
日本には歳暮に贈り物をする習慣があり、その贈答品が『お歳暮』と呼ばれます。
昔は直接ご訪問して贈り物を届ける形式でした。
ただ、これですと、贈る、贈られることが多い人ほど、年末の忙しい時期に大変な作業となってしまいます。
その後、物流が発達した現在は、百貨店をはじめ店舗から宅配サービスを使って直送で贈るのが主流となってきています。
昔ながらの訪問して対面で感謝の意を伝え、お渡しする形は失われつつありますが、より多くの人に感謝を伝えられる、便利な世の中になったとも言えるのではないでしょうか。
さて、具体的に贈る期間です。
実は下記のとおり、関東と関西で若干異なります。
関東 | 12月初旬 ~ 31日まで |
関西 | 12月13日 ~ 31日まで |
上記の期間に贈るのが本来の形式です。
ただし、忙しい年末ギリギリに贈っては相手方に失礼という心遣いから、12月20日頃までに届くように贈るのが無難と言えます。
因みに、もし年内に間に合わなかった場合はどうすればいいのでしょう?
関東なら1月7日、関西なら1月15日までの期間で、熨斗(のし)の表書きを『御年賀』と書いて贈りましょう。
さらに遅れてしまった場合は、2月4日までに『寒中見舞い』として贈ります。
どうしても都合がつかない場合は、こういった形で出しましょう。
ただし、相手によっては
「あいつ、あんなに世話してやったのにお歳暮を贈ってこないのか!」
と不快に思われる方もいらっしゃるかもしれません。 (「・・・してやったのに」などという方であればお歳暮を贈らないかもしれませんが。。)
寒中見舞いに間に合ったとしても、できれば早めに準備して『お歳暮』として贈った方がベターなのではないでしょうか。
お歳暮 誰に贈る? 虚礼廃止とは?
冒頭にも書きましたが、一般的には日頃お世話になっている人に贈ります。
親戚、仲人、習い事の先生
お勤めをしてる方は上司、取引先
などにお贈りするのが通例です。
しかし、最近の注意点は、企業によっては癒着やトラブル予防のため、儀礼的な贈り物を厳しく禁止している場合もあるということです。
そう、世知辛い現代では、『虚礼廃止』といって
『形式的なだけで心が伴わない無意味な儀礼を廃止するッ!!』
という企業が増えているのです。
このため、初めてお歳暮を贈る場合、事前にご自身の勤務先や取引先の方針を確認してから贈る必要があります。
また、公務員の場合は問答無用で金品の受け取りが禁止されていますので、例えば職員の方はもちろん、公立学校の先生にも贈ることは出来ません。
本来感謝の意味があるのに、贈ってはいけない人に贈ってしまうと、相手にとっては逆に迷惑になってしまうので注意が必要です。
お歳暮 何を、どう贈るの?
多くは、新年を迎える為に必要なものや、ある程度保存の利くものを贈ります。
具体的にはアルコール飲料、コーヒー、ハムなどの食料品や、石鹸や洗剤などの生活必需品が多いのではないでしょうか。
他には、クール便を使って産地直送の魚介類などを贈る人や、相手が商品の選択を出来る商品券を贈る人も増えています。
反対に、贈ってはいけないものもあります。
☆マット、スリッパ、靴下などの『踏みつける』ことをイメージさせるもの
☆刃物などの『(縁を)断ち切る』ことをイメージさせるもの
これらは(あまり無いと思われますが)相手から
「実はスリッパ、もしくは包丁がほしい、かなりほしい」
などとリクエストされるなど、特別な事情が無い限りは避けましょう。
贈る際には紅白の水引と熨斗鮑の飾りを付けますが、品物が生ものの場合は水引のみを付けます。
この時の注意点として、水引は蝶結びにしなければいけません。
お歳暮 贈る時の注意点は?
前項までにも、贈る時期、贈る相手、何を贈るか、贈り方など、それぞれの注意点はお伝えしてきましたが、実は他にも注意点があります。
それは、
『お歳暮は1回限りではなく毎年ずっと贈ること』
がマナーである、ということです。
つ…つまり、30歳の人が10,000円のお歳暮をお世話になっている上司、取引先など3人にお贈りした場合、それを30年継続したと仮定すると、、、、約90万円ほどの出費を覚悟しなければなりません。(そして、このように計算している時点で虚礼(?)、、うーん、、非常に難しいところです。。)
『とりあえず一回は贈っておこう』と軽い気持ちで贈ってしまい、次の年から贈らない、では、相手の方に対して大変失礼にあたります。
しかし、夏にはお中元もあり、1年で2回も贈り物をするのはお財布が…、といった場合もあるのではないでしょうか。
実は、通常お中元よりも、1年の締めくくりとなるお歳暮の方が重要視されます。
どちらかしか贈れないのであれば、お歳暮を優先させましょう。
お歳暮 終わりに
いかがでしたでしょうか?
普通に生活していて日頃の感謝を伝える機会というのは、なかなか少ないものです。
お歳暮という、お世話になっている人に、心がこもった贈り物をするのは、とても素敵な習慣ですよね。
一方で、ビジネスの場などでは『形式だけの半ば強制的なイベント』となり、『虚礼禁止』とあらかじめお互いが警戒する流れとなっているのは悲しいことです。
なんにせよ人生において
心から自然に感謝できる人に出会えること
また、ご自身が自然に感謝されるような振る舞いができる人物になること
それが、お歳暮を在るべき本来の習慣に戻していくことへ繋がるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
文:星野貴史