あなたは『鹿踊り』をご覧になったことがありますか?
え?鹿が踊るの・・・?
えっと、踊るのは鹿ではなく人間です。はい、紛らわしくてすみません。。
『鹿踊り』の起源は仙台藩領の風流の一つであると伝えられています。
しかし、不思議なことに『鹿踊り』は仙台から遠く離れた、
愛媛県宇和島市において『八ッ鹿踊り』というお祭りでも見ることが出来ます。
宇和島地方に古くから伝えられている『八ツ鹿踊り』。
なんと、こちら360年を超える歴史を持っている民俗芸能なのです。
そして1974年には、宇和島市の無形民俗文化財にも指定、由緒ある踊りです。
それにしてもなぜ、仙台の踊りが宇和島に?
それとも、その逆なのかも??
今回は、ししまい・ししおどり・鹿の子・鹿おどり・デンデコなどと呼ばれ、
多くの国民に親しまれている『鹿踊り』について調査してみましょう!
『鹿踊り』の由来とは? そもそもどんなお祭りなの?
「いよ観ねっと」より引用
宇和島地方に古くから伝わる鹿踊り。
宮城県仙台市周辺の鹿踊・獅子踊と、
歌詞などの面で類似する部分があるとされています。
一説では、伊達政宗の長男で初代伊予宇和島藩主・伊達秀宗によって、
仙台から伝播したとも。
元々は仙台藩領にて、太鼓を前に抱えて打ちながら踊る
「しし踊り」が宮城県各地に普及しており、
その中で、雄鹿たちが雌鹿を探しまわった末に発見して喜ぶ
「めじしかくし」という踊りが、宇和島に定着し現在に至ったようです。
↓喜ぶ鹿くん
宇和島での鹿踊りは「八ツ鹿(やつしか)踊り」と呼ばれ、優美な様式化が特徴です。
鹿の面を頭につけ、その面から垂れた布で上半身を覆い、
太鼓を前に抱えて打ちながら歌い踊ります。
八ツ鹿踊りは、雄鹿7体 + 雌鹿1体 = 計8体で行われます。
踊りの内容は、ある屋敷の庭に1頭の雌鹿が隠され、
それを7頭の雄鹿が探し求めるものです。
やがて、すすきの陰に隠れている雌鹿を見つけ、
お互いに喜び合うという筋立てになっています。
踊りには歌が付いているのですが、鹿踊の歌詞
「回れ回れ水車~」は、室町時代に流行した歌ともいわれています。
まわれ廻れ 水車
遅く廻りて
堰に止まるな 堰に止まるな
十三から これまで連れたる
めん鹿をば
こなたのお庭に
隠しおかれた 隠しおかれた
なんぼ尋ねても 居らばこそ
一本すすきの
かげに居るもの かげに居るもの
風が霞を吹き払うて
今こそ め鹿に
逢うぞうれしや 逢うぞうれしや
奥熊が 奥の永途を越えかねて
爪を揃えて
はやすおもしろ はやすおもしろ
(宇和島市公式ページより)
宇和島の鹿踊りは、8人で踊るから「八ツ鹿踊り」。