あなたは「ローン」と聞いて何を思い浮かべますか?
なんとなく一国一城の主になるための35年の「住宅ローン」はイメージできますよね。
でも「不動産投資ローン」は馴染みがないのではないでしょうか。
「住宅」って「不動産」だし、「不動産」って「住宅」だし、同じに見えますよね。
でも、両者には本当に大きな違いがあります。
そして、それは社会人、いや、もしかしたら学生時代から
知っておくべき大変な重要なことなのです。
そこで今回は不動産投資に興味があるあなたへ、
不動産投資ローンと住宅ローンの違いについてわかりやすくご紹介していきますね。
そもそもローンとは?
ローンとは時間を買う道具とも言われます。
例えば、30歳の人が、
「3000万円の家を買いたいから毎月3万円ずつ貯金しよう!」
と目標を立てると、1000か月かかります。
これは12ヶ月で割ると、83年以上の時間がかかりますので、
121歳に買えることになります。
はい、死にますよね。
本来であれば、何年もかけて貯蓄しないと買えないものを、
一定の信頼関係のもと、金融機関からお金を借りることで、
一括して購入できる、これが「ローン」です。
そして、その後の収入から予め決められた期間で分割払いしていくことになります。
不動産投資においてはローンを組むことが基本となります。
ローンを賢く利用することで人生を豊かにも不幸にもできますので、
その仕組みやメリット、デメリットをしっかり把握したうえで取り組んでみましょう。
不動産投資ローンと住宅ローンの違いは?
ローンの借入目的の違い
不動産投資ローンと住宅ローンは
資金使途(お金の使い道)に大きな違いがあります。
- 住宅ローン:自宅として住むための物件購入に不足している金額分借り入れる
- 不動産投資ローン:購入した物件を他人に貸すことで家賃収入を得ることが目的
ローンの返済原資の違い
- 住宅ローン:借主の毎月の給与が返済原資
- 不動産投資ローン:毎月の家賃収入が入るため、主な返済原資は家賃
なお、不動産投資ローンで購入物件の空室リスクが大きい場合
(地方でアクセスが悪い・築古物件など)には、安定的な家賃収入が期待できない
と判断されて融資評価も厳しくなるため、注意が必要です。
融資額の違い
- 住宅ローン:年収に対して5~6倍程度の借入額が適切とされており、高くても年収の7~8倍程度となります。
- 不動産投資:家賃収入がローンの主な返済原子となるため、借主の給与収入や貯蓄からの返済を想定する住宅ローンよりも年収の10~20倍程度までと融資額の上限は大きくなります。
融資に強い不動産投資会社が提携金融機関を紹介されて物件を購入する場合、
融資額に大きな違いが出る場合があります。
融資金利の違い
不動産投資ローンと住宅ローンでは、金利も大きく異なります。
- 住宅ローン:返済原資を給与としている分、貸し倒れになるリスクが少なく、金利は0.5%~2.0%程度と低く借り入れることが可能です。
- 不動産投資ローン:住宅ローンよりも貸付金額が増えることに加えて、家賃収入が想定通りに入ってこなかった場合に貸し倒れてしまうリスクがあるため、金利も1.5%~4.5%と高い水準になります。
*不動産投資のなかでも比較的リスクが小さい2,000万円~3,000万円の新築ワンルームマンション投資などであれば、借入金利も1.5%~3.0%程度と低くすみます。
一方、比較的リスクが大きい1億円~2億円のアパート投資や築古物件などは
金利が2.0%~4.5%と高い水準になりますので、
2%後半から3%台の高い借入金利の際には
購入後のキャッシュフローなどにも注意が必要です。
ローン借入時の年齢制限の違い
- 住宅ローン:給与収入を主な返済原資としているため、ほとんどの銀行で定年前までの年齢(65歳~70歳未満)という借入上限が設けられています。
- 不動産投資ローン:主な返済原資は家賃収入となるため、購入する物件や資産状況などが良ければ70歳を超えていても融資がつくことがあります。
相続対策の手段として不動産投資を活用したいという高齢の方が、
ローンを組んで物件を購入するといったように
柔軟な投資を行うことが可能となっています。
連帯保証人の違い
- 住宅ローン:借入人本人が融資物件に住むことを前提としているため、完済時まで生きていることが前提となります。
- 不動産投資ローン:相続対策を目的とするケースもあるため、借入人が亡くなった後も事業の継続性を保証する必要がでてきます。
そのため、資産を持っているかいないかにかかわらず、
原則として推定相続人(配偶者や子どもなど借入人の相続が予定されている人)を
連帯保証人として要求されます。
ローン返済期間の違い
返済期間は、住宅ローンと不動産投資ローンでそれほど大きくは違いません。
しかし、不動産投資ローンのなかでは、
建物の耐用年数によって返済期間が変わってきますので注意が必要です。
たとえば、RCマンションの場合は耐用年数が47年あるので、
築10年の中古マンションを購入しても35年の返済期間がつきます。
しかし、アパートなどの木造物件は耐用年数が22年しかないため、
新築の場合でも30年の返済期間となったり、
中古の場合は20年~25年の返済期間となったりする場合があり、
耐用年数以上の融資を引くことで
金融機関によっては信用棄損とみなされることもあります。
融資審査内容の違い
- 住宅ローン:年収金額や勤務先・勤続年数、現在の資産状況・借入状況など、「属性」と呼ばれる借主の返済能力などが審査されます。
- 不動産投資ローン:借主の属性に加えて、どのような物件を購入するかという点も大きな審査ポイントとなります。
いくら属性がよくても、築古の木造物件などには融資がつきません。
逆に属性があまり良くなくても、
都心のアクセスが良いエリアの新築ワンルームマンションへの投資に
融資が下りることもあります。
物件をどう評価するかという審査基準に関しては、各金融機関で大きく異なるため、
ある銀行では融資NGだったが、他の銀行ではOKがもらえたということも起こります。
法人名義での契約の可否
法人名義でローンを契約可能かどうかも、
住宅ローンと不動産投資ローンで異なります。
- 住宅ローン:「物件に契約者が住む」ことが前提なので法人で契約することはできない。
- 不動産投資ローン:物件を貸して賃料を得るという「賃貸事業」なので、事業を行う法人が契約主となることが可能となります。
【初心者】不動産投資ローンと住宅ローンの違いは?わかりやすく紹介 おわりに
いかがでしたでしょうか。
「ローンを制する者は人生を制する」
と言っても過言ではないくらい、ローンは人生にとって大切です。
そして、不動産投資したいあなた。
不動産投資と不動産投資ローンは切り離すことができません。
今回ご紹介させていただいた住宅ローンとの違いは以下5点です。
- 借入目的
- 返済原資
- 金利
- 融資額
- 融資審査
これらをしっかりと把握した上で、慎重に進めてみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。