緊急事態宣言で一時的に封じ込めていた新型コロナウィルス(以下、コロナ)ですが、
2020年7月に入り、都知事選を経て、東京都と国でGoToキャンペーン要否の議論をしているうちに、
東京では連日200人を超えてくるほど、その息を吹き返してきています。
そんな中、7月16日の国会で東大先端科学技術研究センターの児玉龍彦(こだま たつひこ)名誉教授(以下、児玉氏)が召喚された際、
「エピセンター」
という新しいワードを添えて、コロナ感染拡大に歯止めがかからない現状に早急に対策を打たないと、
「来週は大変になる。来月は目を覆うようなことになる」
と警鐘を鳴らしました。
そして残念なことに児玉氏の仰っていたとおり、7月30日時点の感染者は東京で367人、全国で1302人と過去最高を更新している状況に陥りました。
今回は児玉氏が国会で言ったエピセンターとは何か、クラスターとの違いや児玉氏についても徹底解説していきます。
エピセンターとは?
エピセンターとは「震源地」「感染集積地」の意味合いを持ちます。英語では「epicenter」です。
もともと、日本に入ってきたコロナの第一波は「中国の武漢型」だったとされている事は記憶に新しいところです。
その後、「アメリカ型、イタリア型」が入ってきていました。
児玉氏の分析によると、現在は「東京型」「埼玉型」と判断できる新しいウイルスの型が形成されてしまっており、
無症状の方々の中に抗体ができない人が感染の震源地となって、
さらなる拡大の兆しが見えているとのことでした。
WHOは6月のブラジルの1日の感染者数が3万人を、3月にイタリアの1日の感染者数が2600人を超えた際に「エピセンター」という言葉を使っています。
クラスターとの違いは?
ここまで読んで既にお察しの方も多いと思いますが、
クラスターは、「中国の武漢型」や「アメリカ型、イタリア型」が外から日本に入ってきて感染が広がっていく事象を指していました。
つまり、空港をはじめとした島国の利点を活かした水際作戦で防げる部分もあったのです。
これに対し、エピセンターは東京型や埼玉型など、日本国内が震源地となって内側から自立的に増幅して感染拡大してしまう状況を指しています。
これはわかりやすく言うと、
家の外からくるゴキブリを何とか食い止めていたのに、家の中に入ったゴキブリが巣をつくってしまい、卵がふ化してどんどん増えていってしまっていくような絶望感
に似ているのではないでしょうか。
今後も、外からのウィルスを水際作戦で食い止めても内側からウィルスが発生してしまっていると、もはや止めようがないほど感染が拡大してしまう可能性があります。
児玉龍彦名誉教授とは?
それでは、このエピセンターを使った児玉 龍彦(こだま たつひこ)教授について、児玉氏は1953年(昭和28年)に東京で生まれます。
東京教育大学附属駒場中学校を卒業後、そのまま高等学校へ進み、東京大学医学部に合格し卒業後は東京大学医学部附属病院の医師となります(エリート中のエリート!)
児玉氏の専門分野は内科学、分子生物学、システム医学領域、血管システム分野と多岐に渡り、2011年にも国会で放射線の健康への影響を述べて注目を集め、ネイチャー誌において「今年の10人」にも選ばれています。
東京大学先端科学技術研究センター名誉教授だけでなく、
元東京大学アイソトープ総合センター長と
東京大学先端科学技術研究センター教授を兼任してしまう離れ業、日本屈指の医学者であり、生物学者です。
コロナに対しての国会で述べたエピセンター化についても私達一般人にも非常にわかりやすく合理的で、説得力があるものでしたよね。
エピセンターとは?クラスターとの違いや児玉教授についても徹底解説 おわり
いかがでしたでしょうか。
児玉氏の東京がエピセンター化しつつあるという警鐘について、
西村経済再生相は「クラスターというのか、エピセンターといってよいのか・・」といったトーンで、
エピセンター自体への言及は避けましたが、引き続き新宿でクラスター対策を拡充していく方針を示していました。
コロナは未だに後遺症や抗体を含めて解明されていない部分が多く、開発中のワクチンが効くのかも定かではありません。
昨年2019年は2020年の東京オリンピックに向けて都内のいたるところでホテルや民泊が整備されてきており、
コロナがなければ今年2020年7月は世界中の人たちが東京に集まって今頃は熱狂のるつぼだったはず..ですが、
その特需が無くなったうえで、3密を避けなければならない状況下において、日本経済はかつてないほど落ち込んできています。
それでも、私達はニューノーマルと呼ばれる新しい生活様式を手探りで構築しつつ、
重篤者を一人でも少なくして、病床を確保した状態で経済を回し続けていく必要があります。
「美容院へ行きたいけどクラスターが起きてるし・・・いつから行ってよいのか?」
コロナとの共存についてはまだ試行錯誤が続きますが、1日も早く世界中の人たちが快適に過ごせる世界に戻れることを願いつつ、
1人1人が前向きにできる対策を徹底していきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。